
珠玉の一枚 Vol.40 【大分県】
剣道
粘り強く戦うー。11月の県高校新人大会の剣道男子団体戦で3位となった大分国際情報は、最後まで諦めず戦い抜くことをテーマに掲げた。高倉寛矢監督は「試合終盤の残り30秒で簡単に打たれることがあった。一瞬の隙が命取りとなるのが剣道」と選手に呼び掛け、練習での緊張感を求めた。
真価が問われた1月の全国高校剣道選抜大会県予選では、「負けない気持ちを前面に出し、集中力が途切れなかった」(高倉監督)との言葉通り、決勝リーグでは1勝2分の負けなしで準優勝となり、本戦への出場権を得た。県高校新人大会の個人戦で優勝した主将の藤野空志(2年)は「一体感があった。チーム全体で声が出ていたので、集中力が増した。全員の勝ちたい思いが結果につながったと思う」と振り返る。
練習から程よい緊張感がある大分国際情報
3年ぶりの全国大会に向けて、「粘り強く戦う」ことは変わらない。小・中学時代に全国舞台を経験した選手は少なく、全国の強豪校との対外試合も新型コロナの影響で制限され明らかに経験値が足りない。それでも高倉監督は選手に「不安はあるだろうが他校も同じ。自分を信じるしかない」と伝えた。2年生は学校行事も公式大会もことごとく中止になったからこそ、「1つ1つの大会を大事にしたい」(藤野)との思いは強く、悔いの残らない試合をしようと声を掛け合う。
積極的に打突を増やし、連続攻撃後の抜き際から引き技へのつなぎを課題とし、全国大会までの残り期間は修正に時間を費やす。練習は程よい緊張感に包まれ、細部の動きまでこだわる姿勢を感じる。全身のバネを生かした面打ちを得意とする藤野は、「技にキレが出てきた。いい状態で試合に臨めそう」と自信を深めている。藤野を大将に、副主将の斎藤裕太、県高校新人大会の個人戦3位の長屋千度ら2年生が中堅以降を固め、どんなに劣勢な状況になっても粘り強い剣道で勝利を呼び込む。目標は日本一と志は高い。藤野は「持っている力を出し切る。そうすればいい結果が付いてくる」と言い切った。
全国大会でも粘り強く戦う
(柚野真也)
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