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県高校新人大会 ラグビー 大分東明が3連覇 運も実力、必然の勝利

県高校新人大会 ラグビー 大分東明が3連覇 運も実力、必然の勝利

大分県高校新人ラグビー大会

15人制決勝 1月31日 昭和電工サッカー・ラグビー場Aコート

大分東明22−21大分舞鶴

   (15― 7)

   (7 ―14)

 

 「勝因は運です」とユーモア交じりに語った白田誠明監督の言葉に、掲げる「エンジョイラグビー」の神髄を見た。大分東明が6年連続同じ顔合わせとなった大分舞鶴との県高校新人大会の決勝戦で3連覇を達成。60分間、勝利を諦めずに、自分たちのラグビーを信じ、楽しんだからこそ勝利が転がり込んだ。いや、転がり込んだのではない。必然の勝利を手にしたと解釈すべきだろう。

 

 高校ラグビーの聖地・花園での全国高校ラグビー大会を終えて2週間。大分東明は新チームとしてスタートして初めての大会。白田監督は「スタイルとする展開ラグビーの理解度は低く、フォーメーションの形もちぐはぐだった」と話す。この日はラインアウトでことごとく相手ボールとなり、セットプレーが安定しなかった。「それでも一人一人が気持ちを切らさず、緊張感を保ちながらも楽しんでいた」

 

 最初に先制トライを許すも焦りはなかった。攻め込みながらも密集でボールを出せない反則を繰り返したが、相手防御スペースを突く攻撃を最後まで繰り出した。前半に理想とする早いパス出しから展開し、2トライを奪い逆転に成功する。競り合いで反省点があったと言うが、キャプテンの馬越涼(2年)ら全国を経験した主軸を中心に、密集でのボール奪取を狙う相手を押し返そうという気迫に満ちていた。

 

決勝でも展開ラグビーを披露した

 

 後半は傾いた流れを引き戻せず再逆転を許したが、「うまくいかなかったときは原点に戻れ」とベンチからの指揮官の声で笑顔を取り戻す。「相手の圧力は強かったが、自分たちができることをすればいいと思った」と馬越。試合終了まで残り5分を切ったところでウイングのナブラギ・エロニ(1年)が、大分舞鶴の守りの隙を巧みに突き、ステップを効かせた快速でトライ。コンバージョンキックも決まり、勝利を決定づけた。このトライについて馬越は「たまたまではない」と言い切る。左サイドの大外は相手のウイークポイントだったことを感じていた。狙い通りのトライで、「だからこそうれしい」と喜んだ。

 

 新チームのスローガンは「限界突破」。極限に陥ったときに何ができるかを求めている。そういう意味では、決勝戦の土壇場で逆転したことは今後の財産となる。白田監督は「トライを奪えるところでミスしたり、体を張れなかった場面も多かった。まだまだこれから、小さなことの積み重ねが必要」と振り返り、「反省点があるということは、もっと伸びるということ」と選手に呼び掛け、3連覇を祝福した。

 

3連覇を達成した大分東明

 

 

(柚野真也)

大会結果