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バサジィ・バレー 「リラックスして、楽しんで勝つ!」今季加入のキープレーヤー石蔵沙笑が語る

バサジィ・バレー 「リラックスして、楽しんで勝つ!」今季加入のキープレーヤー石蔵沙笑が語る

6人制女子バレーボールチーム「バサジィ大分」に、今季から加わった石蔵沙笑(さえ)。全国でも名の知れるバレーボールの強豪校・誠英高校(山口県)で春高バレー、インターハイ、国体に出場し、活躍したバレーエリートがチームの起爆剤となっている。彼女は10日開幕の全日本クラブカップ女子選手権で、目標のベスト4入りに導く切り札となれるのか。期待の新戦力の「今」を聞いた。

 

 

 チーム設立1年目となる昨年は、全日本クラブカップ女子選手権(クラブカップ)でベスト16、全日本選手権九州ブロックラウンドは予選敗退したが、大分県総合選手権大会準優勝とまずまずの結果を残した。しかし、中村貴敏監督は「選手個人の部分で基礎技術の向上に成長の余地はあり、チームとしての完成度も納得できるものではなかった」と振り返る。そこで選手間の競争がなければチームの成長はないと、今季唯一の新加入選手として石蔵沙笑を迎えた。石蔵はチーム2年目の飛躍を図るキープレーヤーとなっている。

 

クラブチームで一番上を目指す

 

―今季チーム唯一の新加入選手となりましたが、加入までの経緯は?

「高校を卒業して、佐賀女子短期大学(九州大学バレー1部リーグ)でバレーは続けていました。卒業してバレーを辞めるか続けるか悩んでいたとき、一度バレーから離れるともう復帰できないと思いました。社会人でも“本気”でバレーを続けようと決めたときにバサジィの存在を知り、入部に至りました」

―福岡県出身の石蔵選手にとって、大分は何の縁もない場所ですよね。バサジィの一番の魅力は何だったのですか?

「同じ九州とはいえ全く知らない土地だったし、知り合いもいないので不安ではありましたが、バサジィがクラブチームで一番上を目指すという部分に惹かれました。短大では不完全燃焼に終わったので、もう一度ここでバレーと向き合えると思えました。直感ですけど(笑)」

―小学生の頃から全国大会に出場していますが、燃え尽きることはない?

「満足したらバレーを辞めるんじゃないですかね。誠英高校のときは全寮制で24時間バレーのことしか考えていなかった。メンバーから外されたときは本気で辞めようと思ったこともありましたが、試合に出ても出られなくてもチームの勝利のためにできることを学びました。それが今のバレー観につながっているし、人間性にも影響している部分があります。今の自分があるのはバレーのおかげですし、自分が納得できるまでバレーは続けたいです」

体力をつけて、体のキレを取り戻したい

 

 

―バサジィに入部して半年足らずですが、チームへの馴染み具合はいかがですか?

「チームのみんながすごく入部を歓迎してくれたので溶け込みやすかったのですが、バレーのスタイルに関しては今までやってきたバレーと違うので慣れるまで大変でした。今も足を引っ張っています。大学までは高速バレーを追いかけていたので、いかに速くレシーブからスパイクまでの時間を短くするかを考えていました。バサジィはレシーブを高く上げて、しっかり助走をつけて相手のブロックやレシーバーの位置を見て、打ち込むバレーです。選手個々の能力が必要なのでフィジカルを上げなければいけないです」

―チームの勝利に貢献するためには何が必要となってきますか?

「まずは体力をつけて、体のキレを取り戻すこと。そうすればサーブカットやブロックアウトのボールを落とさないプレーができると思います」

―ではチームに必要なことは?

「雰囲気はいいのですが、試合になるとみんな固くなるので、もっとリラックスして、自分のやりたいことをやればいいのに。まあ、私は立場的に偉そうなことは言えないですが、楽しくバレーをする。そして勝つ。それが一番です」

―チームスタッフはポイントゲッターとしての活躍を期待しているようです。

「まあ、そこは(伊藤)あかねさんというエースがいますし、私はぼちぼちで(笑)。相手のマークがあかねさんに対し厳しくなったときに、何らかの形で得点できればと思っています。自分の頭で思い描く動きと、実際のプレーには大きな差があるので、まだまだ時間がかかりそうですが」

―とはいえ、クラブカップが控えています。この大会での目標は?

「出場するからにはベストを尽くします。チームとしてベスト4以上を狙っているので、そこは達成したいです。個人的にはミスを少なくして、みんながプレーしやすい雰囲気をつくりたいです」

 

チームに加入して半年足らず。コンディションは万全ではないが、徐々に輝きを取り戻しつつある石蔵沙笑。小学校の頃から全国大会を経験しているバレーエリートは、そのキャリアだけでなくバレーセンスもピカイチ。「ボールに対する読み、スパイクをブロックに当てる位置など、瞬時に判断して何事もなくプレーする」と現場スタッフの評価は高く、クラブカップでは彼女の活躍がそのままチームの勢いとなるはずだ。

 

 

(柚野真也)