
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
県高校新人バレーボール大会は1月27日、大分市で決勝戦があった。新チームになって間もない東九州龍谷(東龍)が、決勝の臼杵戦でフルセットまでもつれる苦戦を強いられたが36年連続36度目の優勝を飾った。
高い個人技術を持つ東龍と組織力の臼杵。互いに好対照のチームカラーを持つ両チームの激突は、3セットまでもつれる熱戦となった。
東龍は、全日本高校選手権大会(春の高校バレー)で準優勝して2日後の今月15日から新チームが始動した。インターハイ、国体で3位と全国の大舞台を経験した選手が残っているとはいえ、調整不足は明らかで伝統の高速コンビバレーは機能せず、選手個々の能力に頼るオーソドックスなスタイルに終始した。「毎年のことだがこの大会は内容より結果。今できることを突き詰め、プレーの精度を上げることだけに集中させた」と相原昇監督。
春の高校バレーでセンターコートに立ったキャプテンの荒木彩花(2年)、後藤七海(2年)、室岡莉乃(1年)を軸に、粘り強くレシーブをつなぎ、フィニッシュの部分は個の力で押し切った。誤算は核となるセッターの不在だった。これまでのチームは園田風音(3年)が絶対的なセッターとしてトスを上げ、控えも3年生だったこともあり、新チームには経験の少ない若松かのん(1年)しかいない。この緊急事態に春の高校バレーでリベロとして活躍した吉田鈴奈(2年)をセッターにコンバートし対応した。バレーセンスの高い吉田であっても本職ではないポジションに苦戦。最低限の役割はこなすが、攻撃のリズムを引き出すまでには至らない。
連続優勝記録を36に伸ばした東龍
決勝は東龍が第1セットを落とす波乱のスタートとなった。東龍が県大会でセットを落とすのは2014年県高校総体の決勝リーグ臼杵戦以来の出来事。会場はどよめき、ざわついたが荒木は冷静だった。「一瞬だけヤバいと思ったけど、これまで先輩たちが築き上げた伝統を崩すわけにはいかないと思ったら集中力が増した」(荒木)。要所で高さのあるブロック、力強いスパイクを決め、悪い流れを断ち切った。
「どんなに追い込まれても勝利を諦めることはない。ウチは勝つこと以外は考えられない。キャプテンとなり自覚が芽生えた荒木がチームに勢いを持ち込んでくれた」と相原監督は勝因を語る。苦戦したが勝つために最善の手段と役割を選手が考えて勝ち取った勝利は、今後のチームづくりに大きな意味を持つ。
大黒柱となった荒木彩花(背番号2)がチームを引っ張った
(柚野真也)
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