県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
九州高校野球県予選 乱打戦を制した大分工業 28季ぶりの優勝
第144回九州地区高校野球大会県予選
4月2日 決勝 別大興産スタジアム
大分工業 000 000 070 3|10
情報科学 110 000 050 2|9(延長10回)
第144回九州地区高校野球大会県予選最終日は2日、別大興産スタジアムで決勝が行われた。大分工業が情報科学に10ー9で勝利して、28季ぶり3度目の優勝を果たした。大分工業は春のセンバツに出場した明豊、大分とともに九州大会(20日開幕、鹿児島)に出場権を手にした。
終盤の打撃戦を制した大分工業
試合は前半と後半で全くことなる様相を呈した。先発のマウンドに立ったのは両校のエース。大分工業は右腕の日高翔太(3年)、情報科学は左腕の後藤将太(3年)、日高は1、2回に点を許すも、粘りの投球で味方の援護を待ち、後藤はテンポよくストライクを先行して無失点を続けた。
試合が動いたのは八回。ここまで後藤の前に4安打と抑え込まれた大分工業打線が爆発した。相手の継投を機に打者12人の猛攻で一挙7得点、逆転に成功する。5点のリードで気の緩みが出たわけではないが、その回に同点に追いつかれたのは今後の課題。山本一孝監督は「野球は後半勝負」とベンチに帰ってきた選手に檄を飛ばし、もう一度流れを呼び込むように集中力を切らせなかった。
9回無死満塁のピンチに、この日、一度は後続にマウンドを譲った日高を再登板させた。「お前で打たれたら仕方ない。思い切り投げろ」の監督の一言が日高の気持ちを振るい立たせた。三振、併殺で無失点に抑え、延長十回の勝ち越しにつながった。終盤の打撃戦を制し、山本監督は「勝ちたい思いが焦りになったが、キャプテンを中心に打線が奮起し、日高以外の投手がつないでくれた。今大会の課題をあぶり出し、もうワンランクアップしたい」と、強豪校と対戦できる九州大会を夏への強化試合と位置付け、挑む。
28季ぶりに優勝した大分工業
粘る情報科学、あと一歩及ばず
敗れた情報科学は今大会を通じてチーム力を上げた。エース後藤を中心に3人の投手で継投し、守りの野球で決勝まで勝ち上がった。決勝も自分たちのペースで試合を進めただけに、八回の7失点が悔やまれる。無死1塁となった場面でエース後藤が降板。「ウチは3人の投手で継投してきた。後藤の調子が良かっただけに引っ張りすぎた」と赤嶺司監督。継投で逃げ切りを図ったが、大分工業打線につかまり逆転を許す。
流れは一気に大分工業に傾いたが、その回に打線が意地を見せた。5安打5得点の集中打で同点に追いつく。九回も満塁のチャンスを作ったが、あと一本が出なかった。赤嶺監督は「今大会は1回戦から厳しい試合が続いたが、投手中心のロースコアで勝ち上がることができた。決勝は満足していないが粘り強く戦うことができた」と振り返り、夏に向けて「チーム力を上げたい」と再起を誓った。
今大会でレベルアップした情報科学
(柚野真也)