熱戦を彩ったヒーローたち①大分商業 夏の甲子園予選2019

2019/07/30
  • 高校野球

熱戦が繰り広げられた第101回全国高校野球大分大会で

強烈なインパクトを放ったチームや選手たちを紹介する。

 

 今年も“大商”は強烈なインパクトを残した。ノーシードから勝ち上がった大分商業は、1、2回戦を強打で打ち勝ち、シード校と激突する3回戦からは日本文理大学付属、情報科学、明豊を撃破し、決勝にたどり着いた。

 

 強烈な印象を残したのは3回戦。プロ野球のスカウトが注目する今大会屈指のピッチャー翁長佳辰(3年)を擁する日本文理大学付属との試合は、2年生エース川瀬堅斗が大器の片鱗を見せた。好投手と投げ合ったことで高いポテンシャルが引き出された。翁長と比べると勝負できる球種は少なく、コントロールも甘い。打者心理の裏をつくような投球術もない。それでも「打てるものなら打ってみろ」という気持ちで行けば、140㌔前後のストレートでも打者を押し込むことができる。実際に3回戦では、凡打の山を築き完封勝利で貢献した。

 

 「自分の力でチームを甲子園に連れて行きたい」と臆することなく言える度胸も大投手としての素質をにおわせる。そんな川瀬も準決勝では打ち込まれ、マウンドを譲り、ベンチで涙する場面もあった。感情の起伏は投手に不要なものかもしれないが、人間としてのアクの強さや偏りという資質はプロ向き。準決勝、決勝では力を発揮せずに終わったが、悔しさが今後の成長の糧となるはずだ。

 

今後の飛躍が楽しみな川瀬堅斗

 

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