県高校総体ラグビー競技 大分舞鶴、苦しみながらも42連覇

2019/06/06
  • 高校総体

第67回県高校総体ラグビー競技15人制

6月3日 決勝戦 昭和電工サッカー・ラグビー場

大分舞鶴 14-12 大分東明

   前半7-7

   後半7-5

  

 決勝にふさわしい好試合だった。県高校総体の決勝戦、互いに意地と誇りを懸けた戦いは、大分舞鶴が大分東明を1ゴール差で逃げ切り、42年連続58回目の優勝を飾った。試合後、勝者であるはずの大分舞鶴に涙する選手が多かったのが、これまでの道のりの苦しさを物語っていた。

 

 県内で負けなし。絶対王者として長年君臨してきた大分舞鶴だが、2月の県高校新人大会で大分東明に28連覇を阻まれた。キャプテンの山田大斗(3年)は「伝統、プライド、自分たちの置かれている場所、全てを失った」と懐述する。あれから4カ月。「きついランにコンタクトプレー。ギリギリまで自分たちを追い込んだ」(山田)。リベンジマッチとなった今大会は、勝利こそが全てだった。

 

 試合は前半から集中力を研ぎ澄ますも、大分東明の強力なFWに密集やその周辺で押し込まれた。前半17分にゴール前のスクラムからつながれ先制トライを許したが、大きく崩れることなかった。キックを多用し、相手陣形が乱れた状態を増やした。同25分にはラインアウトからモールで押し込み竹部力(3年)がトライを決め、同点で折り返す。

 

 後半も先に得点を許したが、「苦戦するのは想定済み。タックルが決まっていたが、攻める機会が少なかったので試合をつくるように指示した」と堀尾大輔監督。運動量で上回り、低いタックルで相手の足を止め、2番目のタックルでとどめを刺すダブルタックルで大分東明の勢いを食い止める。密集への寄りを早めて優位に立つと、後半18分にラックからトライを奪い、ゴールも決めた。逆転してからは密集からの球出しを遅らせ、ボールを保持する時間を長くするなど、「慌てることなく冷静に試合を進めることができた」(竹部)。

 

 この試合をベンチで見守った山田は、「大きな相手にFWは練習してきたダブルタックルが決まり、BKはキックの攻防で上回り、相手陣地でプレーできた」と勝因を分析し、「みんなに感謝の気持ちしかない。4カ月の苦しい練習が報われた」と涙した。王者奪回のミッションを遂げたが、大分舞鶴の選手は誰一人満足していない。「秋の花園予選(全国高校ラグビー大会県予選)まで力をつけて、本当の強さを手にしたい」。大分舞鶴の再生は、始まったばかりだ。

 

タックルが効果的に決まった大分舞鶴

 

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