国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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テニス男子 大分舞鶴、ベスト8で姿消す 全国高校総体2019
令和元年度全国高校総体体育大会テニス競技
8月3日 男子団体 準々決勝
KIRISHIMAヤマザクラ宮崎県総合運動公園庭球場
大分舞鶴1-2柳川(福岡)
ライバル柳川と準々決勝で対戦した大分舞鶴は4時間近くの熱戦となった。「苦手意識はあったが最初から気合が入っていた。まずは自分たちが勝ってプレッシャーをかけようと思った」とキャプテンの稲田康太郎(3年)。ペアを組む其田怜(3年)とダブルスに出場し、最初のブレークポイントを得て幸先よく第1セットを先取する。稲田が「相手の戦術に対応できた」と振り返ったように、2人同時にサービスダッシュする相手に対し、足もとへの返球や相手の後方へ放物線を描くロブを使って圧力をかわす。第2セットを奪い返されたが、「流れはもう一度くると思って粘り強く戦った」(其田)。嫌な流れを引き戻し、ダブルスを制した。
シングルス1に出場した野田成佑(3年)、シングルス2の太田翔(2年)もダブルスの勝利に続こうと奮闘。唯一の2年生として出場した太田は、「3年生にとって最後の大会。これまでの大会に比べて背負うものが違った」。太田にとって緩急と駆け引きが生命線だが、「気持ちだけが空回りして自分のプレーができなかった」。ストレート負けが決まったときに、隣のコートで苦戦する野田に全てを託した。
ダブルスで勝利した稲田・其田(左)ペア
野田は相手のエースから第1セットを奪い、第2セットは驚異の粘りで接戦に持ち込んだ。試合前に稲田、其田と交わした言葉に後押しされた。「俺たち3年生が2本取って勝とう」。2度ブレークポイントを取られ追う展開となったが、諦めなかった。ただ、体力で勝る相手を捉えきれなかった。「これまでメンタル面で崩れることが多かったので気持ちを切らさないようにしたが、第2セットを取られたことで体力的にも厳しかった」。窮地に立たされたフルセット、相手の力強いサーブでコート奥へじりじり下げられても、得意のストロークで懸命に押し返した。しびれを切らした相手の返球が甘くなった隙を見逃さず、ネット前でプレッシャーをかけにいく。早く試合を終わらせるために戦術のひとつとしてボレーを混ぜた。互いにポイントを譲らず試合が進んだが、救急搬送者が続出する灼熱の太陽の下での試合。体力の限界が近づいていた。「(負けたのは)悔しいけど自分のプレーを出し切った」と涙も出ぬほど消耗していた。
大園洋平監督は、「3年生は最高の試合をしてくれた。全てを出し尽くしてくれた」と選手をねぎらった。3年生の日本一への挑戦は終わったが、「太田を中心に来年こそは日本一を取ってほしい」(稲田)とバトンを託した。この日の悔しさが、さらなる挑戦の出発点になる。
エースとして奮闘した野田
(柚野真也)