グッドルーザー(1) バスケットボール男子 柳ケ浦 3年生が伝えた「仲間のために」という強い使命感 【大分県】

2023/11/11
  • 冬の全国大会

 先発に3年生の名が連なる別府溝部学園に対し、柳ケ浦の3年生4人はベンチスタート。「3年生力」がそのままチーム力の差となった。それでも柳ケ浦の3年生はベンチから下級生を鼓舞し、コートに立てば守備から試合の流れを変えようと足を動かし、相手の勢いを止めた。3年生の必死のプレーを感じ取った山下凜生(2年)は「自分の役割を果たそうとする3年生のプレーを見て、自分の仕事をすることに集中できた」と得意の3点シュートを決めて追い上げムードをつくった。

 

 最後まで諦めない3年生の姿勢は伝播したが、前半に許したリードを巻き返すことができなかった。中村監督は「今年のチームは3年生に力がないと言われてきたが、そんなことはない。プレータイムが少ない中で立派にプレーしてくれた。その姿は下級生の目に焼き付いている」と言い切る。誰かがミスしてボールを奪われれば、全力でそのカバーをする。そうした姿勢がメンバーに浸透できるチームは強い。3年生の全力プレーは、「仲間のために」という強い使命感がその背中を押していた。勝利をもたらすことはできなかったが、大事な何かを伝えられたはずだ。肩を落とし会場を後にする下級生に対し、東は「この悔しさを忘れず、お前たちの代は勝ち続けてくれ」と声をかけた。

 

ベンチ外の3年生たちも仲間を鼓舞した

 

 

(柚野真也)

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