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大分東明高校 「大輔のために」 ともに戦った仲間へのメッセージ

2017/11/18
  • 冬の全国大会予選

 

 花園を目指す全国高校ラグビー大会県予選を目前に控えた10月初旬、大分東明のFWの要・プロップ渡邉大輔(3年)が急性白血病のためにチームを離れた。突然の発症だった。柱を失ったチームには動揺が走ったが、同時に「大輔を絶対に花園に連れて行く」「大輔のために何かしたい」。2つの強い思いが生まれたという。試合ではもちろん全力を尽くす。ではそれ以外に何ができるのか…。みんなで出した答えが骨髄バンクのドナー登録への呼び掛けだった。

 

 決勝戦が行われた12日、選手、マネージャーらは早くから集合し、会場となった大分市営陸上競技場の入口で来場者に骨髄バンクのドナー登録を呼び掛けた。そこで配られていたのはドナー登録の方法が丁寧に描かれた手作りのビラ。「試合中苦しい時、彼は何度も助けてくれました。今度は僕たちが彼を助ける番です」と添えられたまっすぐな言葉がどんな詳しい説明よりも胸に刺さった。大輔のために、同じ病気で苦しむ多くの人たちのために。選手たちは時間が許されるギリギリまでビラを手に立ち続けた。

 

 試合前、白田誠明監督に渡邉から「気負わずに」とメールが届いたという。勝利はならなかったが、お互いを思い合う姿は「ONE FOR ALL,ALL FOR ONE」(一人はみんなのために、みんなは一人のために)を体現する素晴らしいものだった。フランカーの伊達尚樹(3年)は「スクラムのとき左肩でずっと支えてきたメンバーだった。一時期は本当にショックでラグビーを続けていいのか悩んだ。今日はテレビで見ている大輔に全力で戦う姿を見せられたと思う」と話す。スタンドオフの佐藤咲人(3年)は「大輔のために花園に出たかった」と悔しさをにじませた。チーム全員に共通する思い。それは病室で戦う渡邉の元へ間違いなく届いているだろう。

 

 「元気になった大輔とまた一緒にラグビーがしたい。同じチームでなくてもラグビー会場で会えたら」。白田監督の言葉が近い将来実現することを信じてやまない。

 

 

(甲斐理恵)

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