ヴェルスパ大分 福元考佑 安定感の次はインパクト

2019/04/22
  • ヴェルスパ大分

 キャプテンマークは中学以来の経験。久しぶりの立場で挑む今季は、攻撃的サッカーを展開しているチームを最終ラインで支えている。理想とするDFへ―。確かな手応えを得た序盤戦を振り返り、目指すべき到達点を語った。

 

 178㌢、DFとしては決して大きな体ではないが、厳しい練習と試合での経験を上書きし続け、これまで多くのピンチを防いできた。空中戦でも強さを発揮し、的確な位置取りでクロスを跳ね返す。自分たちのミスでピンチが続けば、両腕を振り上げて味方を鼓舞する。

 大学卒業後にヴェルスパ大分(当時はHOYO AC ELAN大分)に加入し、2年ほど他チームに移籍した時期もあったが、昨季から古巣に復帰。間もなく30歳を迎え、年齢的にも周囲を引っ張っていかなければならないことは本人も自覚している。中学以来、久しぶりに巻いたキャプテンマークの重みを感じつつも、さらなる成長へのきっかけをつかみかけているようだ。

 爆発的な得点力があるわけでもなく、クリーンなプレーが持ち味で、派手さに欠けるきらいがあるかもしれない。しかし、DF陣にもたらす安定感は年々増している。ずっと見ていたら評価されるタイプと自称するDFは、「でも、いるだけで存在感のある選手になりたい」と、目指すべき到達点を語ってくれた。

 

チームの成長を感じる。あとは結果

 

Q:けがの具合は?

 大事をとって休んでいるだけで問題はありません。左膝は2年前に痛め、それからは慢性的というか、うまく付き合いながらプレーしています。今週は試合がないので、次の試合に向けて調整したいと思います。練習を見ているのは辛い。自分の出ていない試合もそうですが、見ている方が疲れる。早く復帰したいです。

 

Q:練習後に須藤(茂光)監督と話していましたが、どんな話を?

 戦術のことです。紅白戦を見ていて気になったところを質問しました。前を向いたらまずは裏のポケット(ゴールエリアとペナルティーエリアの間)を狙えるのに、抜ける選手が少なかったというような話をしました。監督とは戦術のことや個人的なプレーのところもよく話します。監督には戦術の部分は一番理解していてほしいと言われているので、疑問や気付いたことがあれば話すようにしています。

 

Q:今季5試合が終わり2勝1分2敗、勝点7で8位。この結果については?

 もう少し勝ち切れる試合もあった。もっと勝点を積み上げときたかったという印象です。ボールを持てているけど、課題は得点力です。ポケットの深い所に行けていない。決定的なシーンを作っているけど、シュートが入らないのでその数を増やしていくしかない。ただ、焦りはないし、手応えを感じています。昨年、監督が変わり、新しいスタイルを取り入れていますが、浸透しているのを感じます。昨年から在籍していた選手は個々の技術が伸びている。チームとして戦術を意識しているのは感じるし、紅白戦でもセカンドチームにそれを感じられる。狙いとするボール運びはできているからこそ結果が欲しいです。

 

Q:須藤監督のサッカーはDFから試合の組み立てが求められていますよね。

 大変ですけど、僕は縦パス狙うのが好きなんで今のサッカーは楽しいです。動かしながら、ここが空いてきそうだなという部分は昨年より見えてきた。(ここで縦パスを入れたら)ダメだなという感覚も分かってきた。パスを出した次の次のプレーまでイメージできるようになったのは成長を感じます。

 

Q:守備面に関して、監督から求められていることは?

 相手に応じて、前から行くのか引くのかの判断をある程度任せられています。今季の3試合目ぐらいまでは前からプレッシャーをかけていましたが、引いた方がボールを奪えているので、状況に応じて使い分けないといけないと思っています。僕は守備の選手なんで失点はしたくないし、いい守備はいい攻撃を生み出すとの思いは強いです。

 

Q:これから上位争いに絡むために必要なことは?

 今の状態は悪くはないけど、やはり得点。得点しなければ勝てないので。現時点の課題は、動き出しが少なく受動的なこと。ボール保持者が(パスを)出すよと分かって動き出すのではなく、(受け手の)意図的な動き出しが必要。それを周りが見て、誰が抜けて、どこにスペースがあるか共有することをテーマにしています。

 

今季も安定感のあるプレーが光る福元考佑

 

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