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書道 自分だけの「書」と歩み続ける 河野青空(大分南高校3年) 【大分県】

書道 自分だけの「書」と歩み続ける 河野青空(大分南高校3年) 【大分県】

 今夏の第47回全国高校総合文化祭(かごしま総文)の書道部門で、大分南高校書道部の河野青空(3年)が県勢で唯一となる特別賞を受賞した。

 書道を始めたのは幼稚園の頃。姉の書き方教室について行き、書くことの楽しさを知ったという。一時的に教室を休んだこともあったが、小・中学年になると気持ちに変化が訪れた。「本気で字が上手になりたいという気持ちが芽生えた」と没頭する時間が増えて中学でも教室に通い、高校は書道を学べる大分南高校へ入学した。

 

 高校では先輩たちの優しさに触れ、仲間と一緒に活動する中で思わぬアクシデントに遭った。「交通事故に遭い、治療のため部活動に出られない日が続いた。大会にも出展できず悔しかった」と当時を振り返る。顧問の鹿苑晋史講師に相談し、自分にとって1番効率の良い練習法を模索した。

 

部のパフォーマンス部長も務めるため、土日は朝早くから自主練をする

 思うように書けない日々が、書との向き合い方を大きく変えた。2年生になる頃には多くの大会で結果を出すようになった。「書けなかった時間はとても苦しかったが、自分と向き合う時間がメンタルを強くさせた」。繰り返し練習を重ね、自分と闘い続けた結果、「第58回席上揮毫(きごう)大会」での優秀賞、「第33回大分県書道中央展」での最優秀賞をはじめ、最も難関とされる大会の一つである、書の甲子園「国際高校生書道選抜」では見事入選を果たした。

 

 「今年の書の甲子園は、団体と個人ともに結果を出したい。最後の文化祭では、後悔のない最高のパフォーマンスをして終わりたい」。卒業後は書道専攻の大学を目指す。3年間の部活動を通して多くの学びを受けた鹿苑講師のような書道の先生になりたいと笑顔を見せる河野。これからも自分だけの「書」を書き続けていく。

 

数々の全国大会で受賞歴を持つ

 

 

(塩月なつみ)