明豊高校卓球部 渡辺莉々子(3年) file.826
卓球
卓球女子 積み重ねた土台は揺らぐことはない。明豊がベスト8入りを目指す
卓球の全国高校選抜大会の女子団体戦に出場する明豊は、2年生1人、1年生3人の少数精鋭だが、これまで積み上げた成果が着実に実を結んでいる。全国の出場権を懸けた全九州高校新人選手権大会では戦力の上回る相手に対し、臆することなく勝負を挑み準優勝。松本香織監督は「新型コロナの影響で対外試合が制限され、自分たちの実力がどれだけのものか分からない不安はあったが、これまでやってきたことを出せたのが九州大会だった。選手は自信をつけたと思う」と話す。
全九州高校新人選手権大会後は、個々の技術向上に力を注ぎ、時間をかけてじっくり練習した。キャプテンの秋吉翼(2年)は「その日にできることを一生懸命やればいい」と自分のスタイルを構築した。前陣でピッチの速い卓球を好む秋吉は、ラリーから相手のミスを誘う。根負けしては自分のスタイルを貫くことができないと、反復練習を繰り返した。基礎工事が長く、土台作りに時間をかけたから少々の揺さぶりや強打を打たれても崩れることがない。「競った場面でどれだけ自分のプレーに集中できるか。全国では楽な試合などない。常に冷静にプレーしたい」と、自分に何が必要なのかを考えながら地道に練習し、実力を培った。
時間をかけてじっくり練習を積んだ
キャプテンの背中を見て、1年生も自分の課題に向き合った。エースの梅木ちとせは、競った場面でミスを恐れ、安全なプレーを選択していたが、「相手のミスを待つのではなく、自分から攻める回数が増えた」(松本監督)。平賀愛梨沙は回転量の多いドライブに磨きをかけ、自慢の攻撃が威力を増し、けがから復帰した香月実夢は、リハビリ期間に上半身の強化を徹底したことで強打を打てるようになった。それぞれがレベルアップした手応えを感じている。
全員が持ち味を発揮できれば目標のベスト8に近づけるはず。松本監督は「今大会は全国のレベルを肌で感じてほしい。夏のインターハイ(全国高校総体)に向けて、課題を見つけることができればもう一段階レベルを上げることができる」と通過点と捉えている。秋吉は「みんな試合に向けて気持ちが高まっているし、コンディションもいい。どれだけ自分たちが通用するか確かめたい」と大会が待ち遠しそうだった。
目標はベスト8
(柚野真也)