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先手必勝で夏を制した藤蔭 夏の甲子園予選2019

先手必勝で夏を制した藤蔭 夏の甲子園予選2019

第101回全国高校野球大分大会

7月28日 決勝戦 別大興産スタジアム

大分商業 000 010 000|1

藤 蔭  100 100 30×|5

 

 シード校が次々に姿を消した第101回全国高校野球選手権大分大会は、藤蔭の2年連続3回目の優勝で終えた。松尾将主将(3年)は、「新チームになって秋、春の大会で結果が出ず、大会連覇のプレッシャーもあったが、目の前の試合に集中することだけを考えた。これまでの練習の成果が結果につながった」とうれし涙を流した。

 

 ノーシード校同士の対戦となった決勝戦。春のセンバツでベスト4となった明豊に勝利し、勢いに乗る大分商業を相手に、藤蔭は足で揺さぶった。一回に中前安打で出塁した江口倫太郎(3年)が盗塁と敵失で三進すると、塚本修平(3年)の犠飛で先制した。この試合を含め、6試合すべてで先制点を挙げた藤蔭の“勝利の方程式”が発動。「先制することで主導権を握り、自分たちの試合ができた」と竹下大雅監督。四回は小宮大明(3年)の振り逃げで満塁として、押し出しで追加点。七回には樋口昇樹(3年)の適時二塁打などで3点を奪った。先制、追加、だめ押しの理想的な展開で試合を終えた。

 

 今大会6試合で43得点と打撃が好調。「グランダーの打球」を合言葉に、昨冬から低く、鋭い打球を追求した。竹下監督は「大きく、強く振るのではなく、ボールに対してしっかり強くコンタクトしていくことを求めた」。低く、鋭い打球は相手のミスを誘発し、盗塁はもちろんヒットエンドランなど“足”を絡めた攻撃でプレッシャーをかけ続け、終始主導権を握った。

 

 投げては継投がハマった。先発の小宮は「任されたイニングを投げ抜くことだけ考えた」とストレート、カットボール、スライダーを組み合わせ6回1失点と好投し、7回からはサイドスローの左腕・高田大樹(2年)が無失点で抑えた。「僕の後ろに2人いるので普段通りのピッチングをすることを心がけた」と高田。今大会は片平真(3年)、小宮が交互に先発を担い、高田、松本士優(3年)の4投手で継投。「1試合を1人が投げ抜くのではなく、継投でいくと決めていた」(竹下監督)ことが功を奏した。1イニングを全力で投げる投手陣は「4人で投げ抜く」ことでプレッシャーからも解放された。

 

 投打がかみ合い、今大会は相手に一度もリードを許すことなく逃げきり、連覇達成。先手必勝の勝ちパターンで3度目の甲子園で初勝利を目指す。

 

2年連続優勝を決め、歓喜の輪が広がった

 

喜びの声!声!声!

 

松尾将(3年)

「勝てない時期が続き、大会連覇のプレッシャーもあったが、練習の成果が結果につながった。足を絡めた攻撃野球が自分たちの持ち味。それが今大会はすべて発揮できた。先輩たちと同じ舞台に立てることができるのはうれしい」

 

小宮大明(3年)

「今日の試合は最少失点で、次のピッチャーにつなげることを考えた。大会前にエースナンバーを譲った悔しさはあるが、今は4人のピッチャーで短いイニングを全力で投げることが結果につながっている。昨年の甲子園はベンチで見ることしかできなかったが、今年はマウンドに立って勝利に貢献したい」

 

樋口昇樹(3年)

「(七回の追加点の場面は)チャンスだった。まっすぐのインコースを狙っていた。凡打しても次に四番の塚本がいるので、思い切り初球から狙えた。冬場に振り込んだ成果が出てうれしい」

 

塚本修平(3年)

「昨年の甲子園はアルプススタンドから見ていて、先輩たちがうらやましかった。絶対にあの場に立ちたいと思っていた。甲子園では記憶に残るプレーをしたい。ホームランはヒットの延長にあるので、強い打撃を打ちたい。先制すれば勢いに乗れるので、まずは初回の攻撃に集中したい」

 

高田大樹(2年)

「1点差での登板だったので緊張したが、僕の後ろに2人いるので普段通りのピッチングをすることを心がけた。抑えることができて良かった。甲子園ではまず1勝したい。どの場面でも投げることができるように準備したい」

 

甲子園初勝利を目指す藤蔭

 

(柚野真也)