国東高校・中島大貴 己の柔道を貫き頂点を目指す

2017/06/29
  • 高校総体

2017インターハイ出場選手・出場校名鑑

男子柔道 個人100㌔超級

国東高校 中島大貴(3年)

 

 

 

 圧倒的な強さで頂点に立った。それが一度ではない。1年生のときから個人100㌔超級で王者の座を守り続け、県総体3連覇を達成した。

 

 177㌢、125㌔。いわゆる“あんこ型”体形の中島大貴の得意技は、体重を活かした大外刈りと体落としだ。相手の柔道着をしっかりつかみ、引き出し揺さぶり、流れを自分に引き寄せながら、ある一瞬を待つ。相手の重心を上げてバランスを崩した瞬間が勝負のとき。己の足を伸ばし、そこを支点に相手を後方真下へと倒す。

 

 一本が決まるまでの時間は、わずかに1秒ほど。釣り手と引き手の絶妙なバランス、腰からつま先への滑らかな重心移動。基本に忠実な中島の柔道は、「見本のような組手の正統派柔道」と評価は高い。指導する百瀬薫孝監督は、「大きな体形の子はおっとりとした性格が多いが中島は違う。負けず嫌いで柔道に対する考え方もしっかりしている。常に向上心を持って練習している」と話す。

 

 小学校の頃から全国トップクラスの実力を持ち、将来の日本柔道を担う逸材と呼ばれた中島だが、高校では伸び悩んだ時期もあった。自分に足りないところを見つめ直し、一心不乱に練習に明け暮れる日々を過ごした。そして導き出した答えがこれだ。「努力しても報われるとは限らない。それでも努力しなければ報われない」

 

 中島は長いトンネルを抜け出し、自分の姿を俯瞰(ふかん)することができるまでになっていた。「全ての力を、後悔しないように出し切りたい。自分の柔道ができれば日本一になる自信はある」。

 今夏のインターハイでは頂点を目指す。

 

 (柚野真也)

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