７人制ラグビーで大分舞鶴を破った大分東明だが、15人制でのダブル優勝は適わなかった。試合の序盤から大分舞鶴ＦＷの圧力に耐え切れなかった。相手の得意とするモールで押し込まれ、密集でボールに絡まれる場面が目立った。

　白田誠明監督が「モールを止めないと通用しない」と話したように、すべてにおいて先手を取られ、持ち味のテンポの良い球出しからの連続攻撃に移れず、自陣でくぎ付けにされる場面が続いた。「舞鶴の方が密集でしつこい守りをしていた。こっちは受け身になりミスが出た」と悔やんだ。

　前半を26対０で折り返したが、ハーフタイムに白田監督は「怖がらずに普段通りのプレーをしよう」と呼びかけ、選手を送り出すと息を吹き返した。攻めては素早くワイドに球を動かし、守っては低いタックルに徹底する。勝敗に関係なく自分たちのラグビーを徹底した。

　いい形で初トライを奪い勢いになるかと思われた矢先、前半からの疲労が一気に出て運動量が落ちた。点差が開いたことで集中力も途切れ、大量点を与えてしまった。「もっと激しく前に出たかったが気持ちの部分で負けた」（白田監督）。大分舞鶴の40連覇阻止に挑んだが、またも破れなかった壁の厚さが王者の強さであり伝統の力だった。

　それでもＦＷ戦に持ち込む相手に対し、キックを多用し、アンストラクチャーと呼ばれる互いの陣形が乱れた状態を増やす戦い方はできた。新興勢力として、大分東明は着実に力をつけている。（柚野真也）