県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】

2025/06/08
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 コートの外にもう一つのドラマがあった。3年の久下慶也の引退だ。久下はこれまでレギュラーとして出場したことはない。1年時は応援席で見守り、2年時はマネージャーとしてチームを支えた。そして最後となった今大会。再び選手登録され、大好きな仲間と同じ舞台に立った。応援席からは「慶也!慶也!」の大声援。井手平や宮永ら苦楽を共にしてきた仲間も「劣勢になっても慶也のために絶対優勝しよう」「絶対胴上げして送り出そう」と気合を入れた。いつにも増して気持ちが一つになった。

 

 試合後、宣言通り宙を舞った久下。「選手として活躍できたわけではない。でも仲間の想いや声援を聞いて逃げ出さないでよかったと思った。勝てたことはもちろん、みんなの笑顔を見られたことが本当に幸せでうれしい。これからも心は一緒にいる」と目に涙を浮かべながらも、悔いのない顔で語った。

 消防士という夢を追いかけるために一足早くチームを去るが、その心は離れることはない。全国高校総体ではメンバー全員、久下の思いも背負い戦い抜く覚悟だ。

 

今大会で部活を引退する久下慶也(5番)

 

 

(甲斐理恵)

 

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