全国高校総体 テニス男子 県勢初の頂点に立った松永朔太郎(大分舞鶴3年) 【大分県】
2024/08/10
- 高校総体
潮目が変わったのは、サービスゲームをブレークした直後の5ゲーム目。ジュースが続き、セットポイントを取ると主導権を握った。「次のゲームからリラックスしてサーブも良くなり、ストロークも伸びていた。流れが来ていたので押し切ろうと思った」と松永。第2セットを奪い、タイブレークに入ると持ち味の攻撃的スタイルのギアを上げ、相手を寄せ付けなかった。
高校を機に親元を離れ、福岡から越境入学。全国中学生テニス選手権3位を手土産に「大分開催となるインターハイで日本一になる」と宣言したが、ここまでの道のりは楽なものではなかった。全国の強豪校の仲間入りした大分舞鶴で1年生の頃から全国高校総体、全国高校選抜に出場した。順風満帆と思われたが思うように結果が出なかった。九州王者にこそなったが全国で勝てない時期が続く。全中3位という過去の栄光が重荷になることもあったが、3年の夏に花を咲かせればいいと言い聞かせた。不安を打ち消すためにラケットを振り、ボールを追い続けた結果が高校チャンピオンだ。ただ、ここが最終目標ではない。「次は大学日本一を目指したい」と次の高みへ駆け上がっていく。
これまでの道のりの険しさを語ったとき、目に涙が浮かんだ
(柚野真也)