県高校総体 バレーボール男子 4年ぶりの王者に返り咲いた大分南
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県高校総体
バレーボール男子
決勝リーグ 6月6日 サイクルショップコダマ大洲アリーナ
大分南2-1大分工業
(27-25、20-25、25-22)
挑戦者・大分南と、昨年から県内大会負けなしの王者・大分工業。共に2勝同士で迎えた「勝てば優勝」という決勝リーグ最終戦は、素晴らしい粘りを見せた大分南が競り勝ち、4年ぶりの優勝に輝いた。
フルセットにもつれ込んだ戦いは決して楽ではなかった。全セットの試合中盤まで地力で勝る大分工業に引き離される苦しい展開が続いた。同じパターンでストレート負けを喫した県高校新人大会、全九州総合選手権大会の県予選(九総予選)が頭をよぎったが、今回は全く違う結末が待っていた。
点差が開いても勢いは止まることなく、声を出し、粘る選手たち。1セット目、3セット目は5点以上の差をひっくり返す逆転劇を演じて見せた。「チームをつくり直し、打倒・大分工業を合言葉に対策を練ってきた。全員で盛り上げて流れをつくることができた」。九総予選の後に「ふがいなかった」と顔を歪めていた大堀孝一(3年)の表情は晴れやかだった。それはチームが成長した証でもある。
精神的支柱としてチームを支えたのは、九総予選後、セッターとキャプテンの二足のわらじを履いていた大堀から負担軽減のためにキャプテンを引き継いだ鈴木結翔(同)。レギュラーではないが、一番早く練習に来て、一番遅く帰るなど陰日なたなくバレーに向き合い、チームを支えてきた。今大会も随所でチームメートを鼓舞し、「押されて受け身になった時も、キャプテンが一人一人に声掛けしてくれたのでやるぞという気持ちになれた」(上田詠路・同)と大きな存在感を示した。柿原茂徳監督も「キャプテンが頑張ってくれた」と目を細めたように1、2年生中心の若いチームにとって何より大きな力になったに違いない。
全国を見据え、柿原監督は「一戦一戦を思い切り戦うだけ」と静かに語る。ディフェンス面、攻撃パターンなどまだまだ改善すべき点は多いが、確実に殻を破ろうとしている。
チームを支えたキャプテンの鈴木結翔