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県高校総体 バレーボール男子 大分工業、12大会ぶりにつかんだ栄冠

県高校総体 バレーボール男子 大分工業、12大会ぶりにつかんだ栄冠

大分県高校総合体育大会

5月31日 サイクルショップコダマ大洲アリーナ

バレーボール男子

決勝リーグ

①大分工業3勝②別府鶴見丘2勝1敗③大分南1勝2敗④鶴崎工業3敗

大分工業2−0鶴崎工業

大分工業2−0大分南

大分工業2−1別府鶴見丘

 

 バレーボール男子は大分工業、別府鶴見丘、大分南、鶴崎工業のシード4校が予選トーナメントを順当に勝ち上がった。総当たりとなった決勝リーグを大分工業が制し、12大会ぶり27回目の優勝を決めた。

 

 大分工業と別府鶴見丘が互いに全勝で迎えたリーグ最終戦は、“勝てば優勝”という緊迫した空気の中で行われた。1点を取り合うシーソーゲームとなった1セット目は、接戦を想定した練習を積んできたという大分工業が25-23の僅差で先取。2セット目も拮抗(きっこう)した試合になると思われたが、潮目が変わる。大分工業は序盤から5連続得点を許すなど、一転、厳しい戦いを強いられた。キャプテンの草野好貴(3年)は「九総予選(4月に行われた全九州バレーボール総合選手権大会予選)とは手応えが違った。相手が捨て身でかかってきたのがわかった」と振り返る。中盤以降はジワリと差を詰めたが、巻き返しはならず17-25でセットを落とし、勝敗の行方は3セット目にもつれ込んだ。

 

 江崎裕之監督は「想定内のこと。落ち着こう」と選手に声をかけ、草野は「下にも上(会場2階)にも仲間がいる。インスタライブで保護者も見ている。一人じゃない」とメンバーを鼓舞した。効果はてきめんだった。試合がはじまると勢いを取り戻したエースの甲斐優作(3年)や草野が鋭いスパイクを次々とたたき込み、別府鶴見丘を圧倒。粘り強いレシーブやチームワークの良さも際立った。

 

言葉で仲間を鼓舞し、プレーでも引っ張った草野好貴

 

 優勝が決まった瞬間、天を仰ぎ、喜びを爆発させた選手たち。それは古豪・大分工業の完全復活を強く印象付けるものだった。試合後、江崎監督は「うちは部員が多いので、コートに立てない選手もたくさんいる。ここにくるまで支えてくれたみんなの思いを背負って、焦らず着実なプレーをしようと話していた。本当によくやってくれた」と感無量の面持ちで選手をたたえた。草野は「日頃からゲーム形式の練習で、1セット取られても諦めない戦いを意識していたので、負ける気はしなかった。ただレシーブやブロックの甘さも感じた。今大会で見えた課題を一つ一つクリアして、全国へ臨みたい」と、うれしさをかみしめ、全国への思いを力強く語った。

 

 一方、別府鶴見丘の舞裕太監督は「選手たちはよく頑張ってくれたが、相手の方が上手だった。3セット目は集中力が切れ、個人に頼ったプレーになってしまったのが敗因」と冷静に試合を振り返った。今後はエースとセッターの連携強化など、さまざまな方向からチームの立て直しを図り、あと一歩に迫った王者奪還を目指す。

 

古豪復活を印象付けた大分工業

 

 

(甲斐理恵)