
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
22 日から開催したサッカーの県高校総体は2回戦までが終了し、第1シードの大分鶴崎らが順当に勝ち進んだ。4月に指導陣が一新した第3シードの大分西は、初戦の難しさを感じながらも3-0で日出総合に勝利。「選手は焦らずに最後まで集中してプレーしてくれた。相手の粘りもあり、試合の内容は厳しいものだったが、苦労して勝ったことが次につながる」と黒木一輝監督。2013年以来の全国高校総体出場に向けて、まずまずのスタートを切った。
黒木監督が求めるのは「ゴールの意識」。赴任して2カ月弱で前任者のパスサッカーを踏襲し、ゴール前の仕掛けに取り組んだ。最前線の佐々木碧央(3年)へのパスが攻撃のスイッチとなり、溝口飛和(同)ら2列目の選手とのコンビネーションで中央突破を図る。溝口は「中を崩せばゴールに直結するし、相手が中央を意識すればサイド攻撃も生きる。僕と碧央でこじ開けたい」と話す。
初戦では中央を固める相手に対し、溝口があくまでも真っ向勝負を挑んだのには、中学の頃まで一緒にプレーした屋敷優成(大分トリニータU-18)の存在があった。プロデビューし、来季の契約を射止めた元チームメートと試合前に話し、大きな刺激を受けた。「ずいぶん先を越されたが負けられない。全国で活躍して、同じ立場になるためにはレベルの高いプレーをしなければと思った」(溝口)。これまでバランスを考えてプレーすることを優先していた溝口に強引さが戻った。
ゴールへの意識が高くなった大分西
外から見れば多少偏ったプレーにも見えたが黒木監督は「このチームに必要なのは、ゴール前で相手が恐さを感じること」と、とがめなかった。中央からの崩しで得点こそ奪えなかったが、積極的に仕掛けることでセットプレーのチャンスを得て、この試合ではC Kから2得点が生まれた。黒木監督は「これから先はこう着した試合が続くと思うので仕掛けることは重要。ファウルをもらい、セットプレーで得点できたのは大きい」と徐々に戦い方が浸透していると感じたようだ。
収穫は攻撃だけではない。無失点に抑えた守備陣の安定感は際立った。最終ラインが全体を押し上げ、コンパクトな陣形を作り、2次、3次攻撃へとつなげた。溝口は「守備はち密になった。全体を押し上げるタイミングなど明確になった」と手応えを感じている。3回戦の相手は黒木監督が3月まで指導した中津東であり、その古巣を指揮するのが3月まで大分西を率いた首藤啓文監督。溝口は感傷に浸ることなく「勝つことで首藤先生への恩返しとなる」と宣戦布告。互いの特徴を知り尽くしたチーム同士の対戦は、最も注目を集める好カードとなりそうだ。
セットプレーからの得点パターンも増えている
(柚野真也)
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