OITA SPORTS

6/30 MON 2025

supported by

田中工藝

バレー バレー

県高校総体前特集 バレーボール女子③ 考え抜いた2カ月間が大きな自信となった国東

県高校総体前特集 バレーボール女子③ 考え抜いた2カ月間が大きな自信となった国東

 県高校総体まで1カ月を切った。バレーボール女子は圧倒的な強さを誇る東九州龍谷(東龍)に、どのチームが肉薄できるかが見どころとなる。第3回は打倒・東龍に並々ならぬ闘志を燃やす国東を紹介する。

 

 4月18日にあった全九州総合選手権大会県予選(九総予選)の準決勝、国東は東龍と対戦しセットカウント0―2で敗れたが、両セットでそれぞれ20点以上を取り、接戦に持ち込んだ。1月の県高校新人大会では東龍戦にたどりつく前に敗戦。佐藤優介監督は「(新人戦準決勝の)大分商業戦ではあまりにふがいない試合をした。東龍を倒さない限り県王者にはなれない。本気で東龍に勝ちたいのか」と選手に問い、意識改革を求めた。

 

 荒治療として練習メニューなど全ての権限を選手に委ね、佐藤監督は一切の口出しをせずに見守った。キャプテンの秋山聖奈(3年)は、「2カ月間、自分たちで何が足りなくて、どうすれば東龍に勝てるかを考えた。個人の基礎能力を高め、攻撃パターンを増やすことができた」と振り返る。佐藤花楠(3年)は最高到達点が295㌢に達するまでになり、川野永里子(2年)は相手のブロックを吹き飛ばすほどの力強さを身に付けた。

 

スパイクを打ち込む佐藤花楠

 

 春休みにはOGが訪れ、昔話を交え「国東らしさ」とは何かを学んだという。「寮生活を共にし、長い時間を過ごす中で生まれるチームワークこそが国東の長所だと気づいた」(秋山)。2カ月間の自主練習の成果は、九総予選では結果に直結しなかったが、試合内容は満足できる部分が多く、大きな手応えと自信につながった。2カ月間の試行錯誤を繰り返した時間はチームの一体感を生み、試合中に劣勢な状況となっても自然と声を掛け合い、味方のミスを補うプレーも増えた。

 

 秋山は「東龍にどの攻撃が通用したか分かったし、中央からの攻撃パターンを増やさなければいけないなど課題も出た。県高校総体は絶対に勝つ」と語気を強め、佐藤監督は「この2カ月は無駄ではなかった。まだ使ってない戦術がある」とニヤリと笑う。国東が打倒・東龍の一番手に名乗りを挙げる。

 

九総予選で大きな手応えを得た国東

 

 

(柚野真也)