#スポーツのチカラ 県高校総体 カヌー 区切りをつけ、それぞれの道を歩む3年生
2020/07/19
- 高校総体
男子カナディアンの中園は中学の頃から国際大会出場経験はあるが、高校に入ってからは伸び悩み、スランプが続いた。猪突(ちょとつ)猛進、自分が決めたことは曲げない強さがあだとなり、「周りの声が聞こえなかった」と振り返る。そんな中園を一喝したのが1学年上の先輩の父親だった。「全力でこいでいるつもりだが、お前は100%の力を出せていない。自己満足で終わるつもりか」。本気で怒られ吹っ切れた。それからはアドバイスに耳を傾け、冷静に自分を見ることができるようになった。
最終学年になってからは自覚も芽生え、後輩の見本となるようにと練習に取り組んだ。意志の強さは誰もが認める。道筋さえ誤らなければ天井なしに力は伸びる。今大会は圧倒的なスピードで他を寄せ付けなかった。高木宏通監督は「能力は高く、爆発力はある。ムラはあるが賢く気持ちをコントロールできるようになった。インターハイ、国体があれば日本一を狙えた」と悔やむ。高校日本一は成し遂げられなかったが、中園の目標はさらにその先にあった。「世界で戦える選手になりたい」。見つめる先は2024年のパリ五輪だ。
男子カナディアンで優勝した中園太陽
(柚野真也)