ボクシング 勝つことより強くなることを追い続ける 田中那知(鶴崎工業1年) 【大分県】

2023/01/14
  • 春の全国大会

 ボクシングに対する情熱は同級生に比べると圧倒的に強く、基礎体力も群を抜いていた。デビュー戦も早く、6月の県高校総体では階級を上げてミドル級に出場し、優勝する。8月の全国高校総体にも出場したが、初戦で優勝候補と対戦して秒殺でKO負けを喫す。経験も実力差も歴然であったのは分かっていたが、田中は「情けなかった」と悔し涙を流した。この敗戦を機に、目の色が変わった。勝ちたいという思いより、強くなりたい気持ちが大きくなった。練習に打ち込む熱量はさらに増した。

 

 10月の県高校新人大会では本来のライトウエルター級に出場し、翌月の九州大会で優勝して全国高校選抜大会の出場権を勝ち取った。「まだまだ課題だらけ。自分の得意な距離で打ち合えていないのは足が使えていないから」と振り返る言葉は反省だらけなのは、強くなりたい思いが強いからこそ。2度目の全国大会では「勝つことも大事だが、自分の課題を克服して攻める気持ちを全面に出したい」と理想のボクシングを追い求める。

 

九州王者となった田中那知

 

 

(柚野真也)

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