剣道男子 四位一体の明豊、全国高校選抜で悲願の日本一

2022/05/01
  • 春の全国大会

 3月末に開催された全国高校剣道選抜大会(愛知県)の男子団体で、悲願の日本一に輝いた明豊。創部から6年という異例のスピードで頂点へと駆け上がり、名実ともに「名門校」の仲間入りを果たした。

 

 岩本貴光総監督が「29年間の教員生活の中で一番力のある選手がそろっている」と言わしめる現チームが狙っていたのは、日本一のみ。いつも通りの実力を出し切れば必ず勝てるという確信もあった。実際危なげなく勝ち上がり、代表選にもつれこんだ決勝の九州学院(熊本)戦も児玉一輝(3年)が冷静に対処し、明豊のスタイルを体現した「捨て切った技で一本を取る剣道」で見事な勝利を収めた。「(試合当日の)児玉は、体のキレ、打突のスピード、力などがずばぬけていた。打たれる気がしなかった」。そんな岩本総監督の言葉からも当時の勢いが伝わってくる。

 

 日本一へ向けて「何をすべきか」がより明確になったのは、全国3位となった昨年の全国高校総体。準決勝で九州学院に大敗して悔し涙をのんだが、その負けは大きな財産になった。「(全国高校総体は)打突の機会はうちの方が多かったが、技で負けた。つまり技を磨けば、追いつけるし追い越せる。やるべきことが明確になった」(岩本総監督)。そこから約8カ月できっちり仕上がったのは、選手たちのたゆまぬ努力の結果に他ならない。

 

 もちろん、選手の自力や努力だけで日本一に届いた訳ではない。「この子たちの代をなんとしても日本一にさせる」という強い信念を持って選手と向き合ってきた指導者、慢心することなく心身共に鍛え上げてきた選手、応援してくれた地域の人や保護者、そしてあらゆる面でサポートした学校。三位一体ならぬ、四位一体となったからこそ、追い風が吹いたという。

 

創部から6年で悲願の日本一に輝いた明豊

 

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