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春の高校バレー県予選特集 女子(3)大分商業 全国舞台を経験し、レベルアップ 【大分県】

春の高校バレー県予選特集 女子(3)大分商業 全国舞台を経験し、レベルアップ 【大分県】

 現在24連覇中の東九州龍谷。今夏の全国高校総体では3位となるなど揺るぎない「1強体制」が続いているが、ライバルたちが着々と覇権奪回の準備を整えているのも事実。26日から始まる決戦を前に、注目校を紹介する。第3回は今回の全国高校総体に出場し、決勝トーナメントに進出した大分商業。

 

 長年、東九州龍谷(東龍)に次ぐ2番手が定位置となっている大分商業。全国への壁は厚かったが、地元開催(2校出場可能)となった今年の全国高校総体で全国デビューを果たした。予選グループを突破し、決勝トーナメントに進出したことは大きな意味を持つ。森栄一郎監督は「最後の1点の取り方など課題は見つかったが、いい経験になった」と手応えを感じている。大会後は大学巡りを行い、レベルの高いチームに揉まれながらさらなるレベルアップを図ったという。

 

 9月の天皇杯・皇后杯全日本選手権大会九州ブロックラウンドでは初戦敗退となったが、森監督は冷静だった。「勝負心が足りず守りに入って、攻め切ることができなかった。隣のコートで東龍が結果を出しているのを見て、今のままではダメだということを選手たちも改めて理解したと思う」と現状を分析し、意識改革を促している。

 

ひと夏で大きく成長した小田原明日香

 

 チームをけん引するのは3年生だが、入学後即戦力となった1年生2人の存在も大きい。昨年の全国都道府県対抗中学大会で忠願寺莉桜(東龍1年)とWエースを務めた安藤美空、パワーヒッターとして頭角を現している小田原明日香はどちらも全国高校総体、大学巡りなどを経て、周囲が驚くほどの成長を遂げている。他にも伸び盛りの学生が多数在籍しており、選手層は例年にも増して厚い。

 

 春の高校バレー県予選の目標はもちろん優勝。徹底した攻めのスタイルで女王・東龍に立ち向かう心づもりだ。「東龍は全てにおいて格上。守っても仕方ない。攻めのバレーを展開し、1点取られたら3点取り返す、そんな気概でやる。攻めて負ければ悔いは残らない」と森監督。そんな思いを受け、選手たちも気合十分。キャプテンの山田茉莉衣(3年)は「初めて全国高校総体に出場し、負けて悔しい思いが残った。春高県予選で必ず優勝して、もう一度全国の舞台に立ちたい。東龍には勢いがあるが、私たちもレシーブ力など着実に伸びている。最後までボールをつなぎ、必ず勝つ」。ウイングスパイカーの野中美空(3年)は「春高は3年にとって集大成となる大会。今まで支えてくれた人に恩返しするためにも、絶対全国へ行く」と強気の姿勢で2度目の全国出場を狙う。

 全国を経験して一回り成長した大分商業。打倒・東龍の準備は着々と整いつつある。

 

「全国舞台への思いが強くなった」と語る山田茉莉衣

 

 

(甲斐理恵)