現役プロが熱血指導 大分に広がる「バスケの灯」 【大分県】
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ウインターカップ県予選特集 バスケットボール(3)女子 大分 悲願の全国大会出場に向け、ミラクルズの快進撃が始まる
全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)への出場権を懸けた戦いが大詰めを迎える。ここでは男女の優勝候補2校と今大会の注目選手を紹介する。第3回は女子の大分。県高校総体では優勝候補筆頭であったが、新型コロナウイルスの影響で出場を辞退。悔しさをバネに大きく成長したチームは、創部4年目で悲願の全国大会出場を目指す。
6月の県高校総体は不完全燃焼に終わった。楠本哲二監督は、「残念だったが悔しい思いはみんな一緒。(全国大会初出場の)歴史を刻むのに遅れが生じたが、“ミラクルズ”の快進撃はここから始まる」と、目標を明確にすることで選手の気持ちを切り替え、動揺を最小限に抑えた。公式戦はおろか練習試合もできない状況が続いたが、その間に「苦手なディフェンスと3ポイント(シュート)の練習に時間を割けた。悪いことばかりではない」とポジティブに捉える。
楠本監督の言動が伝わり、選手はみな前向きだ。司令塔となるポイントガードの梶西未知(2年)は、「先輩たちは悔しい思いをしたと思うけど明るく振る舞い、練習の雰囲気を良くしてくれた。3年生は全国に行く最後のチャンスなので3年生のためにという思いは強くなった」と、大会に向けてチームが同じ方向を向いているという。
守備強化を図り弱点克服
昨年は7月の県高校総体で初優勝したが全国高校総体は中止となり、ウインターカップ県予選では決勝で試合終了間際に逆転負けした。今年は2月の県高校新人大会で優勝し全国高校総体出場は有力だったが、新型コロナウイルスの影響で県高校総体を出場辞退。この1年半、県内トップの実力を備えながら不遇の時期を過ごした。楠本監督は「次は確実に勝つ。そのために準備をしてきた。点を取り合う展開になっても、粘り強く勝利を手繰り寄せることができる」と話す。
足りないものは?との問いに「全国での経験」と答えた楠本監督。その経験を積むために、「今大会は負けるわけにはいかない」。次こそはポジティブなミラクルを起こす。その準備は着実に進み、あとは試合でこれまでの悔しさを爆発させるだけだ。
悲願の全国舞台に向けて仕上がりは順調
(柚野真也)