敗者の涙⑤ 春の高校バレー女子県予選 大分商業 頂点への高い壁、打開策が見えたからこその涙

2020/11/22
  • 冬の全国大会

 6年連続同じカードとなった女子の全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)県予選決勝。大分商業は日本一連覇を狙う東九州龍谷(東龍)に昨年と同じくストレート負けを喫した。ただ、昨年との違いは試合後に悔し涙があった。「0−3」のスコア上では片づけられない試合内容と手応えを感じたのだろう。昨年も決勝のコートに立った嵯峨暖菜(2年)は大泣きした選手の一人。「3セット目は相手の動きが見え、自分が何をすればいいか分かった。実際に思い通りに点が取れたのに勝てなかった。本当に悔しい」。勝てると思えたからこその涙だった。

 

 追い込まれた第3セットでは、やるべきことが明確になった。コートの選手、ベンチの監督の思いが一致した。「フェイントを使い、サイドを意識できるようになった」と森栄一郎監督。セッターの三浦華(2年)がトスを高く上げ、嵯峨はスパイクを打ち込むだけでなく、ブロックアウトや相手ブロックの裏をかく軽打など巧みなプレーで得点を量産する。エースに触発された岩田凛実(1年)も力強いスパイクを打ち込む。それまでは速いバレーにとらわれすぎたのか、三浦とアタッカー陣との呼吸が合わない場面が続いたが、複数のアタッカーが攻撃の態勢に入る余裕が生まれてトスも改善した。

 

サイドを意識して攻撃がかみ合った

 

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