3年生、冬物語 vol.2 バレー女子 3度目の正直で手にした日本一 荒木彩花(東九州龍谷3年)

2020/01/16
  • 冬の全国大会

 3度目の正直―。春の高校バレーで8年ぶり7度目の優勝を飾った東九州龍谷(東龍)のキャプテン荒木彩花(3年)が、何度も言い続けた言葉だ。1年の頃から憧れのセンターコートに立ち、尊敬する先輩たちが2度も決勝で敗れ、涙する場面を見てきた。「3度目の正直が言葉通りになるように声に出し、意識づけした」。圧倒的な正義感と自分の選んだ道を信じ、突き進む強さが荒木にはある。

 

 最終学年となりキャプテンを任されたのが昨年の春の高校バレーが終わった直後のこと。「あの先輩たちが成し遂げることができなかった日本一を取ることができるのか」と不安に思った。それでも「先輩たちの悔しさを晴らすのは私たちしかできないこと」と腹をくくった。新チーム発足当初はまとまりに欠け、緊張感もなかった。さらに3月にこれまで長年チームを率いた相原昇監督の退任が決まり、選手に動揺が走る。コーチから新監督となった竹内誠二監督から「これまでやってきたバレーを継続する。何も変える必要はない」と言われ、自分のプレーに集中することを心がけた。

 

 4月になり新1年生が加わり、選手層の厚みは増したが、やはり一体感に欠けた。「みんな仲は良かったが厳しさがなかった」(荒木)。不安を抱えながら7月には女子U-20世界選手権(メキシコ)に出場する日本代表に選出され、約1カ月チームを離れる。代表での活動は刺激的だった。「当然だけどレベルが高い。そんな選手たちが死に物狂いで優勝を目指す。そこが衝撃的だった」。荒木は、実業団でプレーする上の年代の選手とコートに立っても物おじすることなく、流れを変えるブロッカーとして活躍し、世界一に貢献した。身長184㌢の高さと、各国エースのスパイクに屈しないパワーとスピードを示した。「東龍でやってきたことが通用した」ことがうれしかった。

 

U-20日本代表としても活躍した荒木彩花

 

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