全国高校サッカー選手権大会特集④ 新たなスタイルに挑戦する大分西

2019/10/06
  • 冬の全国大会

 19日から始まる全国高校サッカー選手権大会県予選特集。第4回は大分西。悲願の全国選手権初出場を果たし2年が経った。取り巻く環境は大きく変わり、年間通して行われる「高円宮杯JFA U-18サッカーリーグ2019(OFAリーグ)」ではリーグ設立から1部で戦ってきたが、今年度は思うような結果が出ていない。かつての王者は巻き返しを狙う。

 

 「結果にこだわる、そのためには勝つしかない」。これまでテンポの良いパスをつなぐスタイリッシュなスタイルを貫いた首藤啓文監督から、意外な言葉が出てきた。2008年にOFAリーグが設立され、1部の看板を守り続けてきた強豪校の不振が、そうさせた。「もう一度、応援したくなるようなチームを作らなければいけない」と改革に乗り出した。

 

 進学校がゆえに6月の県高校総体が終わると主力の3年生が大量に抜け、戦力が大幅に落ちる。今年も12人の3年生が部活を引退し、残ったのはキャプテンの藤沢雄斗を含め4人のみ。厳しい状況で再スタートを切ったチームは3年生を軸に、1、2年生を入れ替えながらメンバーを構成するとともに、目指すスタイルを一変した。

 

 大分西の代名詞だったパスサッカーの色は残るが、前線からプレスをかけて、相手ゴールに近いエリアでボールを奪い、素早くゴールへ向かうサッカーへと変貌を遂げようとしている。「ボールを失った瞬間の切り返しが全て。どれだけ優位に立てるかが重要。誰よりも走ってチャンスを作りたい」と藤沢。プレッシングのスイッチは藤沢の判断に委ねられることが多いが、 “常にプレッシング”が共通意識としてある。

 

 これまでは小さなエリアでのパス&コントロールで局面を打開する練習が多かったが、今はゴールに向かって最短の距離でパスをつなぎ、崩す形を意識づけするメニューが多い。どれだけ新しいスタイルを貫き、攻撃的な守備を実践できるがカギとなる。ハマれば圧倒的な攻撃力を誇るチームになる。

 

王者復活を誓う大分西

 

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