ヴェルスパ大分 今季注目の新10番、瓜生昂勢に期待
- ヴェルスパ大分
今季、ヴェルスパ大分の浮沈の鍵を握る新加入選手として注目したいのが瓜生昂勢だ。JFLのFC今治から加入した技巧派MFは、2013U-17ワールドカップに出場した経歴を持つ。開幕2試合はいずれも先発出場。広い視野と独特のリズムから繰り出すパスなど、ゲームメーカーとして存在感を示し、チームメートも率先して彼にボールを預けた。本人も攻撃の組み立てに関与する仕事を最も重視しており、「もっとボールに触れる回数を増やしたい」と新天地での抱負を語っていた。
では実際に、ここ2試合のパフォーマンスはどうだったのか。開幕戦は連係不足もあり見せ場は少なかったが、2節・ラインメール青森戦では、中盤でボールを受けると2トップの動き出しを素早く確認し、最終ラインの裏に精度の高いフィードを送る。かと思えば、オーバーラップするサイドバックの動きを見逃さず、大きなサイドチェンジで揺さぶりをかける。自在なパスワークに相手が引き気味になると、今度は思い切ったミドルシュートでゴールを脅かした。
それでも試合後に話を聞くと、本人に満足感はなかった。「チームが勢いに乗っているときは攻撃に絡んで、押されているときは引く。その使い分けはできたけど…結果が全て」
1-3で敗戦し、チームを勝利に導けなかったことが歯がゆかったのだろう。試合において「中盤の選手がいいチームは強い」と語っていた彼にとっては、結果も内容も納得がいかなかったに違いない。
背負う“10番”にクラブの期待が反映されている。須藤茂光監督も「彼が入ったことでパスが収まり、落ち着く。ボールも動くようになった」と評価する。瓜生は「生半可な気持ちで背負っているわけではない。今年は結果にこだわりたい。10得点10アシストを目指し、チームを救える存在になる」と勝負の年と位置付けている。開幕からスタメンの座をつかんだ瓜生は、進化を続け、今シーズンを飛躍の年にする覚悟だ。
10番を背負いピッチに立つ瓜生昂勢
(柚野真也)