
珠玉の一枚 Vol.41 【大分県】
その他
第101回天皇杯全日本選手権で前回大会に並ぶ4回戦に駒を進めたヴェルスパ大分。1、2回戦ではJ2勢に競り勝ち、3回戦ではカテゴリーが1つ下のおこしやす京都ACに3−1で快勝した。キャプテンの篠原宏仁は「相手の情報が少なく、手探りでの試合となったが、これまで積み上げてきたものが出せた」と語った。
2回戦でJ1のサンフレッチェ広島に5−1で勝利した京都は勢いそのままに、試合開始直後から猛然とボールを奪いにきたが、焦ることはなかった。最終ラインでしっかりパスを回し、相手が前がかりになった隙を見計らった。サイドの開いたスペースに大きく展開し、一気にゴール前にボールを運んだ。
右の藪内健人に左の利根瑠偉。大分が誇る中盤の両翼が個人で打開し、再三のチャンスをつくった。前半24分には利根のドリブル突破から得たCKを前田央樹が頭で合わせ先制すると、3分後には前田がこの日2点目を挙げてリードを広げた。
後半は両チーム互いに1点ずつ加えたが、後がない京都の攻撃を受ける時間もあった。それでも運動量が落ちた選手に代わってピッチに立った選手が、試合の流れを読み、時間の使い方を計算してプレーするなど「自分の役割を理解し、逃げ切ることができた」と山橋貴史監督。
京都戦で2得点の前田央樹
今季から指揮する山橋監督は、これまで横パスの多かったスタイルに攻撃のスイッチとなる縦パスを導入し、守備は最終ラインを高く設定し、コンパクトな守備を構築している。「コンセプトからブレずに選手が一生懸命に取り組んだ成果が出ているが、守備の迫力がまだまだ欠けている。ボールを奪い切るところまでもっていきたい」と満足した様子はない。
ここ最近のリーグ戦では3戦未勝利と勝ち切れない試合が続いている。篠原は「この勝利をいい薬とし、リ・スタートとしたい。前線からのプレスの強度を上げて、自分たちのサッカーをやり切りたい」と過密日程が続くリーグ戦での勝利を誓った。リーグ連覇、そして、天皇杯ではクラブ最高のベスト16入りを目指す。
キレのあるドリブルで突破を図る利根瑠偉
写真は全てヴェルスパ大分の提供
(柚野真也)
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