ヴェルスパ 30歳を超えても主力としてチームを引っ張る中村真人

2021/05/29
  • ヴェルスパ大分

 自陣でパスをつなぎ、相手の陣形を動かすのがチームのスタイルだが、前線から強度の強い守備をする相手には大きく前方に蹴り出すパスも必要になる。キャプテンの篠原宏仁は「ウチにはボールを収めてくれる選手が前にいる」と、中村を目がけてパスを送る。姫野も、相手のシュートを止めるとまずは中村の位置を確かめ、一気にカウンターを狙う。山橋貴史監督は「前線で起点になれる選手がいることで、チーム戦術の幅が広がる」とポストプレーを高く評価。シュート技術の高さも認めており、天皇杯のPK戦では、「勝負の決まる状況では中村が必ず蹴れ」とだけ指示をした。

 

 30歳を過ぎれば、とりわけフィジカル面に老いは確実に忍び寄ってくる。個人差はあれど、誰もがその恐怖から逃れることはできない。ただし、肉体の衰えは頭でカバーできる。経験から得た推理力、試合を読む力で無駄に体力を消耗しない。中村のプレーを見ればギアの入れどころが明確で、守備においても遮二無二ボールを追うことはない。

 リーグ連覇、J3昇格を目指すチームにとって、中村のようなベテラン選手は心強い。中村は「ゴールに迫れるシーンを増やしたい」と気負うことなく自分のプレーに専念するが、「チームの勝利が全て」とも語る。ベテランが昇格への道標となる。

 

今季も得点とポストプレーで勝利に貢献する

 

 

(柚野真也)

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