
珠玉の一枚 Vol.41 【大分県】
その他
14試合を終えて未勝利。大分三好ヴァイセアドラーは最下位に沈んでいる。今季は10チームが4回総当たり戦の長丁場のリーグ戦となるが、約3分の1の日程を消化して課題の多さが改めて浮き彫りになった。言い訳になってしまうがと前置きした上で小川貴史監督は「コロナ禍で外国人選手の加入が遅れ、メンバーや戦い方が定まらなかった」と語った。新加入のカーティス・ストックトンがチームに合流したのがリーグ開幕の約1週間前、昨季の得点源だったブライアン・バグナスはリーグ戦が始まってようやく加わり、メンバーを固定できずにやりくりした序盤戦だった。
外国人選手の調子が上がらない間に、大卒ルーキーの3人が開幕戦からコートに立ち奮闘を見せたのが唯一の収穫だが、当然ながらまだまだ物足りないのは事実。昨季まで主力だったが、けがでコンディションが整っていなかった勝将哉が戦線に復帰し、セッターの藤岡諒真らの出場機会が増えてからはようやく戦力が整い、外国人選手とのコンビネーションもかみ合うようになった。
チーム一丸となって勝利を目指す
この頃から選手選考の基準が、得点になったスパイクの割合を示す「スパイク決定率」から、得点できたスパイク数から失点につながったスパイク数を引いて全スパイク数で割った「スパイク効果率」を重視するようになった。小川監督は「多く得点しても失点が多ければ意味がない。ミスをしない、ブロックを食らわない効果率を優先するようになってミスから崩れることが少なくなった」と明かす。実際にスパイク効果率を優先することでフルセットまで持ち込む試合が増えた。
失点は決して少なくはないが、単純なミスからの失点は減った。ルーキーを含む20代半ばの選手が経験を積み、チーム全体としてVリーグ1部のレベルに慣れてきているはずだ。もともと「攻撃」がベースのチームである。守備面の強化でまずは安定感をもたらし、効果的なサーブで崩し、強気な姿勢で攻め切るスタイルを取り戻したい。今は選手たちも自信をなくしている時期だろう。だからこそ、一つの勝利が大きな意味を持つ。何はともあれ、まずは1勝。連敗の中でも手応えを感じる試合もあった。迷いなく戦い続ければ、必ず道は開けてくるはずだ。
効果率アップを掲げる
(柚野真也)
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