バサジィ大分 つかんだ初勝利 走って守って決めた 【大分県】
フットサル
バサジィ チームの最後のとりでとなる矢沢大夢
頼りになる守護神が帰ってきた。昨季、フウガドールすみだから185㌢、75㌔の大型ゴレイロ(G K)として加入した矢沢大夢だったが、9節のバルドラール浦安戦で左膝前十字靭帯(じんたい)断裂により長期離脱を強いられた。シーズン中の復帰はかなわずに不完全燃焼のシーズンとなっただけに、今季は万全を喫し、開幕からゴールを守っている。
伊藤雅範監督は「サイズがあり、シュートストップも素晴らしい。ここ10年は日本代表のゴレイロとして活躍できる選手」と評価するように、滞在能力は高く、日本代表に定着しつつある。安定したセービング能力に加え、スローイングも正確。“最後のとりで”として存在感を示す。矢沢自身も日本代表の自覚、そしてチームの中心選手としての自覚が芽生え、「昨季は悔しい思いをしたので、今季はリーグ最少失点を目指して、チームの優勝に貢献したい」と話す。
開幕勝利に貢献した矢沢大夢
リハビリが長かった昨季は肉体改造を施すと同時に、メンテナンスの重要さを学び、けがをしない体作りに時間を費やした。また、外から試合を見る機会が多く、「守備マネジメントを学んだ」と話す。最後尾からのコーチングは的確で、チームメートからは「後ろからの指示でパスコースを切ったり、プレスのスイッチを入れることができる」と信頼を得ている。矢沢は「ビッグセーブすることが自分の役割ではない。周りを動かして無難に試合をこなすことが理想」と派手なプレーではなく、堅実なプレーを追い求める。
開幕戦では安定感のある守備を見せ、白星スタートに貢献した。矢沢は「開幕3試合で流れに乗るためには勝つことが大事。今季は人数が少ないが、少ないからこそ団結しているし、全員が試合に出る気持ちが強く集中できている。単発で終わらず、勝ち続けることにこだわりたい」と浮かれることなく、気持ちは次のホーム開幕戦に向かっている。「結果を求められているシーズンだと思っている。リーダーシップを発揮して、チームを救えるプレーをしたい。ミスなく、安定感のある試合をすれば代表定着も見えてくる」。物静かな男は静かに闘志を燃やしている。試合を重ねるたびに、着実に成長を重ねてきた。ゴール前に立ちはだかる矢沢は、自分の可能性を信じて、前進を続ける。
チームの勝利と日本代表定着が今季の目標
(柚野真也)