大分トリニータ ベテランに火をつけ、チームに熱波が広がる

2022/07/01
  • 大分トリニータ

 潮目が変わった―。リーグ後半戦で巻き返しを狙う大分トリニータだが、チームの雰囲気がガラリと変わった。下平隆宏監督の口からは「一体感」という言葉が何度も出る。「練習から声を出し、みんなで盛り上げていこう」と呼び掛ける監督。スタッフが呼応し、選手から自発的に声が出るようになった。

 

 「精神論をとやかくいうつもりはない」と前置きした上で、下平監督は「これまで戦術のことを言い過ぎたと反省している。求めていなかった訳ではないが、サッカーのベースとなる勝負の際の部分、気持ちを前面に出し、チームが一体感を持って戦う。そういう部分を強調したい」と話した。選手選考も戦術を的確に黙々とこなす選手より、「目の前の相手を圧倒し、勝ちたい気持ち前面に出せる選手」を起用した。それが23節の熊本戦であり、苦しみながらも泥くさく勝利をもぎ取る結果へとつながったという。

 

 下平監督がチームを再構築する上でポイントとしたのが「ベテラン」だった。「チームの雰囲気や歴史はベテラン選手にあり」というのが下平監督の考えだ。チーム立ち上げから半年弱は「盛り上げようと声を出す選手が浮いた存在になっていた。得点しても全員で喜ばない。どこかクールで冷めていた」と監督は振り返る。そして、「今、必要なのは一体感。人の心を動かすのは気持ち。ファンもサポーターも選手が頑張っている姿を応援している。それが大分トリニータだろ。魂を出せよ」とベテラン選手にぶつけた。

 

選手に一体感を求める下平監督

 

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