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トリニータ 前半戦総括 前線のテコ入れで降格圏脱出へ

トリニータ 前半戦総括 前線のテコ入れで降格圏脱出へ

 延期となったG大阪戦は消化していないが、前節(19節)の鹿島戦でリーグ戦を折り返した。ここまでの試合をいかに戦い、後半戦に向けていかなる修正を必要としているのかー。前半戦を総括し、そこで浮かび上がった弱点をもとに「夏の強化プラン」を考察した。

 

 前半戦を終えて12得点26失点。昨季までの粘り強い戦いぶりが影を潜めている。故障者の続出でスタメンが安定しなかった部分もあるが、現状の暫定19位という順位を考えれば、まずは確実に勝ち点という結果を追求して、降格圏内から抜け出すのが現実的な目標となる。

 

 その意味ではスコアレスドローに終わった鹿島戦は、「粘り強く戦えた。中断以降の夏の戦いでベースになる」と片野坂知宏監督は手応えを感じている。ベースとなるのは、球際や攻守の切り替えでのファーストディフェンスの勢い、間合いを詰めていくスピードなど、サッカーにおけるスタンダードな部分。これまで何度も求めてきたことであり珍しいものではないが、その水準は高くなった。練習から選手同士で「(ボールへの)寄せが遅い」「攻撃に出ていくスピードを上げろ」との声が出るようになったと聞く。共通のコンセプトを意識付けできているようだ。

 

鹿島戦では全選手が強度の高いプレーを見せた

 

 とはいえ、カンフル剤を打たずに静観することは得策ではない。片野坂監督が「勝ち点3を取るためには得点が必要」と、18試合で12得点の迫力に欠く前線の補強は急務だ。具体的に聞こえてはこないが、今夏の補強はクラブの方針として決まっている。長所である組織力をベースに結果を求めるなら、やはりストライカーの獲得が現実的。他のポジションの補強は、片野坂監督の細やかな戦術に適応するのに時間を要してしまう。もちろんFWであっても、前線からの守備が可能な走力は絶対条件になる。

 

 ただ中盤、DFの補強でも、片野坂監督の下でプレー経験のある選手なら、フィットは難しくないはずだ。今季出場機会に恵まれていないJ1でくすぶる才能やJ2で才能が開花した選手が狙い目となるのだろうか。

 

今季は思うような結果が出ずにいる片野坂知宏監督

 

写真は全て大分フットボールクラブの提供

(柚野真也)