TURNING POINT 〜つきぬけた瞬間〜 #02 「今いる場所で最善を尽くす」(城彰・キヤノンイーグルス)
- ターニングポイント~つきぬけた瞬間~
競技人生におけるターニングポイントに焦点を当てた連載。第2回はラグビートップリーグのキヤノンイーグルス城彰。高校、大学、社会人と常に所属したチームでレギュラーの座をつかみ、主力として試合に出続ける。だが、それでも彼は言う。「まだまだ満足できないんだ」と。
ラグビーに出会えたことが全て
ボールのあるところに城彰あり。体が大きく、タックルも強く、アタックにも存在感を発揮する。大分舞鶴高校時代から変わらぬスタイルだ。凱旋試合となった9月24日のラグビートップリーグ、ヤマハ発動機ジュビロ戦は、故障を抱えたこともあり前半で退いたが存在感を発揮した。「試合には負けて悔しいが、ワールドカップ会場となる地元のスタジアムで試合ができて良かった」と笑みを浮かべ、会場を去った。
城がはじめて楕円球を手にしたのは小学4年生の時。「父親がラグビーをさせたかったみたいで、弟が先にはじめ僕もあとからラグビーを始めた」。周りの友だちがサッカーやバスケット、野球をしていたため「そんなにラグビーは好きではなかった」が、「今思えば自分の体に合っていたし、生かせたスポーツだった」と振り返る。幼稚園の時にすでに体重は60kgあり、小学校を卒業する頃には100kgあったという少年は、相手を吹き飛ばしながらトライを量産した。「ラグビーのおかげで今につながっている。今の自分があるのはラグビーのおかげ」と話す。ラグビーとの出会いが城のターニングポイントだった。
中学の頃はサッカー部と掛け持ちしながらラグビーをした。当時のポジションはセンター。「ボールを持って走れるし、タックルもできるし、キックもした。ラグビーの要素が全部入っていて楽しかった。その頃は駆け引きなんか分からないから、とにかくボールを持ったら前に走る。体が大きかったから相手を倒しながら進む…。とにかく楽しかった」。城の活躍は全国屈指の強豪校・大分舞鶴高校の指導陣の目に留まり、迷うことなく進路先となった。受験勉強にも力が入り、憧れの高校へ入学する。