TURNING POINT 〜つきぬけた瞬間〜 #06 「カヌーと出合い人生が大きく変わった」(森田考博・豊後木材市場)

2019/09/09
  • ターニングポイント~つきぬけた瞬間~

 丸めた頭に強い気持ちを感じる。茨城国体の成年男子カナディアンシングルに出場する森田考博(豊後木材市場)は、2年ぶりの優勝を目指し邁進中だ。国体前の最後の大会となる「日本カヌースプリント選手権大会」に出場し、500㍍で8位となった。「調子は徐々に上がっている。国体までにスタートなど課題を修正したい」と語った。

 

 森田にとって国体は「恩返しの場」だ。昨年の福井国体では200㍍で準優勝するも、500㍍は決勝に進めなかった。「悔しさしか残らなかった。茨城国体では1点でも多く結果を残し、チーム大分に貢献したい」と強い決意を口にした。あれから1年、ストイックに己と向き合い、下半身を強化し、パワーアップした。それは筋肉の鎧を身につけたような姿を見れば分かる。

 

 楊志館高校でカヌーと出合い、「人生が大きく変わった」と森田。これこそが森田のターニングポイントだ。中学まで野球少年だったが、パドルで水面をかき、味わったことのないスピード感に魅了された。監督や先輩に「筋がいい」と褒められ、単純明快な男はすぐにその気になった。翌日には「目標は日本一」と豪語し、厳しい練習にも弱音を吐くことなく一心不乱にこぎ続けた。そして、今もあの頃と同じ気持ちで艇に乗る。

 

 高校3年時に北部九州インターハイ200㍍で優勝し、大正大学進学後は2016年日本選手権200㍍優勝、2017年には全日本学生カヌー選手権200㍍優勝、同年の国体成年の部200㍍優勝。数々の優勝を手にし、昨年4月に日本オリンピック委員会(JOC)が実施するトップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」を活用し、生まれ育った大分で競技を続けることを決めた。

 

国体に照準を合わせ調整は続く

 

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