国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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ジュニアアスリート発掘 1期生・宮成孝輔(大分東明1年)アーチェリー
オリンピックなどの国際大会や国体などの全国大会で活躍できる“大分育ち”のアスリート育成を目的に大分県が取り組んでいる「チーム大分ジュニアアスリート発掘事業」が3年目を迎える。今年度も小学6年生を対象に運動能力に秀でた子どもを選抜し、総合的な運動能力を高め、ボートやアーチェリーなど6競技を体験し、未来のオリンピアンを発掘している。
1期生からは日本オリンピック委員会が育成するJOCエリートアカデミーに選ばれた選手を筆頭に、全国高校総体(インターハイ)出場者などを輩出した。過去2年で厳選された大分育ちのアスリートの活躍を追った。
日本一を目指せる競技に出会えた
1期生 宮成孝輔(大分東明1年) アーチェリー
2002年5月20日生まれ、166cm、58kg、稙田東中学校出身
中学までバスケットボールに熱中していた宮成孝輔は、身体能力が高く、相手に当たり負けしない体幹の強さを武器にフォワードとしてプレーしていたが、「全国で戦うサイズがない」と感じていた。そんな時に「チーム大分ジュニアアスリート発掘事業」を知り、選考会の体力テストを受けた。瞬発力に自信のあった宮成は50㍍走で6秒60、立ち幅跳び2㍍60と中学3年の平均記録を大幅に上回り、最終選考をクリアした。
その後、コンディショニングやトレーニング方法などを学び、ボート、アーチェリー、ホッケー、カヌー、ウエイトリフティング、ライフルの6競技を体験。「短い時間に集中力を高める競技が自分の力を最大限に発揮できる。全国で活躍できるイメージができた」とアーチェリー競技を始めることになった。
実際に弓を引くと、筋力があり、体幹が強い宮成は射形を維持できた。実射すると矢が的の真ん中に当たる。「あの感覚が忘れられない」と競技の楽しさを味わうと同時に、手元の1㍉のズレが的では数十㌢ズレる難しさも知った。
今後の活躍が期待される宮成孝輔
高校はアーチェリー部のある大分東明に入学し、全体練習後も個人練習をこなし実力をつけた。初めての公式戦となる県高校総体では個人戦で見事に優勝。競技を始めてわずか2カ月余りで結果を出し、周囲を驚かせた。宮成は「県で優勝するのは通過点。全国大会出場の常連となり、高校3年間で日本一を目指す」としっかりと目標を定めている。
8月の全国高校総体は、初めての全国舞台で緊張し、思うように力を出し切れなかった。「インターハイを経験して平常心でいることの重要さを知った。ミスを引きずり気持ちを整理できなかった。身体的な面ではもっとインナーマッスルを鍛える必要を感じた」と明確な課題が出たことを収穫と捉えている。9月の県新人大会では“心の乱れ”を修正し切れず、準優勝に終わった。アーチェリーを始めて半年、足りないものは経験であり、今後は道具の調整など学ぶべきことは多いが、それは成長の糧でもある。「僕のアーチェリー人生は始まったばかり。これからです」と前を向く。
チーム大分ジュニアアスリート発掘事業では、平成30年度の3期生を募集している。対象は小学6年生。締め切りは10月中旬。問い合わせは、大分県体育保健課競技力向上対策班(℡097-506-5641)へ。
(柚野真也)