大分西高校 「全国基準」それが選手権後に得たレガシー
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2018OFAリーグ開幕特集 #01
「高円宮杯JFA U-18サッカーリーグ2018 OFAリーグ」(OFAリーグU-18)に所属し、6月の県高校総体に向けて強化を図る高校を特集する。1回目は昨年度のリーグ戦覇者であり、全国高校サッカー選手権大会に出場した大分西。彼らの目指すスタイルはレベルが高く魅力的だ。
OFAリーグ1部で開幕2連勝、大分西が好調なスタートを切った。今年1月の全国高校サッカー選手権大会(全国選手権)に出場したメンバーが主力となり、開幕戦から試合巧者ぶりを発揮している。首藤啓文監督は「攻守の仕組みをつくった(3月で卒業した)3年生が抜け、センターラインを含め選手のポジションと適性を見極めなければいけない」と笑みはなかった。さらに高みを目指すこのチームには立ち返る試合がある。
全国選手権での初戦。初出場ながら強豪校の流経経済大柏(千葉)を相手に、押し込まれながらも最終ラインを高く維持した。加えて、攻守の切り替えを早くし、サイドチェンジや相手の背後を狙うパスを交える攻撃スタイルを貫いた。0−3で敗れたが、キャプテンの首藤誠也(3年)が、「あの試合がすべての基準になっている。このパス、あのシュートは通用するのか。常に考えている」と話すように、高い基準が他校にはない強みである。
県レベルでは得意のパスサッカーで自分たちが主導権を握ることができるが、九州、全国に舞台を変えると劣勢な状況になる。そこで首藤監督は、高い位置でのボール奪取から、素早いカウンターでゴールを奪うことを目指している。これを実現するためには、全体をコンパクトに保ち、インターセプトを狙える状態をつくり出す必要がある。
OFAリーグU-18の開幕戦となった大分トリニータセカンドとの試合では、運動量のある渋谷駿介(3年)が前線から勢力的に動き、ボールを奪いショートカウンターで2得点したシーンは、まさに首藤監督の狙い通りの形だ。この戦術が奏功したことは、選手に自信を与える材料となるだろう。
攻守とも主導権を取りにいくスタイルは好感を持てる。ただ、このスタイルで結果を残し続けるには、詰めるべき部分が多く残されているのも事実。このリーグ戦を通して戦術を浸透させ、全国高校総体、全国選手権の出場に向けて準備を進めていく。
開幕戦で2得点した渋谷駿介