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年男インタビュー 瓜生昂勢(ヴェルスパ大分) 「自分の価値を高めるためには、結果が全て」

年男インタビュー 瓜生昂勢(ヴェルスパ大分) 「自分の価値を高めるためには、結果が全て」

 

 2020年、オリンピックイヤーが幕を開けた。アスリートとして自らの価値を高める勝負の年と位置付ける年男に新年の抱負などを語ってもらった。第3回はヴェルスパ大分の瓜生昂勢。昨季、今治から移籍してきたゲームメーカーに背番号10を用意したのは、チームの期待の表れだった。瓜生は結果で応え、全試合にフル出場し、2014年シーズンと並ぶ過去最高7位に順位を引き上げた立役者となった。今季はクラブの悲願であるJ3昇格に向けて、最前線を走り続ける覚悟だ。

 

Q:チームの主軸として引っ張った昨季を振り返ってください。

 チームの中心として引っ張る思いは強かったです。最も重視していた先発フル出場を達成できたのは良かったと思います。その上でけががなかったのは、当たり前だけど重要なポイントではありました。僕自身初めての移籍で、シーズン前は難しさはありましたが、シーズンインしてからはチームになじむのは早かったと思います。僕がプレーしやすい環境を監督やスタッフの方々がつくってくれたので、自分のプレーに集中し、アップデートできました。

 

Q:ヴェルスパ大分についての印象は?

 ここに来る前にある程度、自分に何が求められているのかポイントは伝えらえていました。そこを落とし込むことに集中できたので、1年目のやりづらさはなかったです。具体的には中盤の選手なので試合のコントロールや流れを読むところ。点が取れないのが課題だったので、決定機に絡むプレー、得点を演出する部分を求められていました。チームとして総得点が前のシーズンより10得点増えたのは成果として考えていいのかなと思います。個人的には10アシスト3ゴールだったのは納得できない部分です。チームがもう一つ上に行くためには僕自身のアシスト、得点の両方で2桁が必要です。

 

Q:1年目で結果を残した要因は?

 須藤(茂光)監督が目指すボールを大事にするサッカーが、自分のプレースタイルにはまったと思います。ただそれは必然というか、自分に合った戦術、監督、チームを選択する判断も選手として重要な能力であって、それを含めてヴェルスパを選びました。昨季はボランチでプレーしましたが、もう一つ前のシャドーでプレーをしたい思いはあります。ただ、これは監督が決めることで、監督が求めるプレーを遂行するのが選手の役割であり、それができて個人の魅力を出せばいいと思っています。

 

Q:新シーズンが始まりますがチームの伸びしろは感じますか? 

 どの選手が残って、どんな選手が加入してくるかによりますが、昨年の手応えは感じています。今年は須藤監督体制3年目となり、結果を出さなければいけないシーズンだと思っています。クラブが上のカテゴリーを目指すと掲げた以上、そのミッションを成し遂げるために選手ができることは結果を出すことだと思っています。

 

Q:勝つために必要なことは?

 もっとサッカーを知ること。僕を含めてみんながサッカーに触れる時間をピッチ外でも増やす必要があります。映像を見たり、知識を増やすことで、プレーのイメージが膨らみ、擦り合わせることができれば、もっと良くなるはずです。昨年はそれが足りなかった。サッカーを勉強すれば、もっと楽にプレーできるようになるし、しんどさの質が変わると思います。練習量も必要ですが、質を上げることが重要です。

 

Q:個人として必要なことは?

 10番を背負っている以上、チームの結果は自分次第という気持ちでプレーをしたい。良いときと悪いときの波があるので、ピッチで感情の起伏をコントロールし、監督が使いやすい選手にならなければいけない。もっとコミュニケーションを増やして、会話のレベルも知識も広げたいです。

 

Q:どんな24歳になりたいですか?

 サッカー選手としては全然若くない。だからこそ考えないといけないです。年齢的には28歳まで体はキレていると思うので、そこまでに上のレベルを目指したいです。ピッチ外のことでは会社を起業しようと考えています。友人と共同設立し、選手のセカンドキャリアに特化した会社を立ち上げる準備をしています。今年は選手としてもビジネスでも成果をあげたいです。

 

Q:アスリート自らが起業する。素晴らしい挑戦ですね。

 やりたいことは自分でつくる。そう思えるようになったのは大学を卒業してJリーグではなく、JFLでプレーした影響もあるのかもしれません。人生は長く、サッカー選手を離れてからの時間の方が長いわけで、周りの状況を冷静に見ることができました。僕は実行こそが全てと考えています。考えているだけではダメ、アイデアがなくても行動するやつの方が強い。じゃあアイデアを持って行動しようよという話になる。それを今、実行しています。

 

Q:では、最後に今年の目標は?

 今年は勝負の年。ビジネスでも自分の立ち位置がすごく有効に働くことがある。J1でプレーすることとJFLでプレーするのでは全く違うし、認知度も違います。サッカー選手としても上を目指し、自分の価値を高めないといけない。そのためには結果。それはスポーツでもビジネスでも同じ。評価は数字を残さなければいけない。そういう時代になっているからこそ、結果にはこだわりたいです。

 

今季は2桁得点・アシストを目指す

 

 

(柚野真也)