それぞれの選択② 陸上女子棒高跳び 金子絵美里(大分西高校3年)

2019/09/19
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 人生には岐路がある。競技人生に没頭する道もあれば、これまで続けた競技に別れを告げる道もある。確かな足跡を残したアスリートには「それぞれの選択」の物語があった。第2回は陸上の女子棒高跳び・金子絵美里(大分西高校3年)。

 

 「日本一になって競技人生を終えたい」。長いスランプから脱け出した今年6月に大きな目標と強い覚悟を決めた。女子棒高跳びの金子絵美里は、8月の全国高校総体で自己ベストの3㍍80をクリアし5位となった。「感触は悪くはなかった」。踏み切るスピードと感覚、バーに向かって空中を体が舞い上がる高揚感。初めてポールを持ち、バーを越えた頃を思い出した。その3週間後、集大成の場と位置付けた全国高校陸上選抜大会では、3㍍60の4位で終わる。順位も記録も満足できるものではなかったが、「やり切った。悔いはない」と話す表情に一点の曇りもなかった。

 

 小学1年から陸上を始めた。当初は短距離の選手で、次第に走り幅跳びなど跳躍系の競技で実力を発揮する。北京オリンピックで女子棒高跳びの金メダリストになったエレーナ・イシンバエワが空高く舞い、バーを越える姿に憧れた。小学4年で陸上競技から離れ体操競技に打ち込んだが、その3年間は遠回りではなかった。中学1年で陸上に復帰し、棒高跳びを本格的に始めたが、空中動作は体操で培った経験が肥やしとなった。外部コーチとして指導した汐月友典氏は、初めて指導した直後に長いポールを簡単に操り、バーを越えた金子をみて驚きを隠せなかった。「助走が速く、踏み切る感覚は天性のもの。すぐに全国上位になる」と確信した。

全国高校陸上選抜大会で4位入賞した金子絵美里

 

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