バサジィ大分 つかんだ初勝利 走って守って決めた 【大分県】
フットサル
バサジィ・フットサル 個の力を出し切る戦い 開幕3連勝で首位
開幕3連勝で首位。今季のバサジィ大分が好スタートを切った。10日の3節・名古屋オーシャンズ戦は、ホームの声援に後押しされ選手が躍動。開始3分、芝野創太の先制点から終始先行する試合展開は、後半に連続3得点で昨季王者を引き離し、5-2で勝利した。「われわれが悪かったというよりは、大分の方が気持ちのあるプレーを見せた。この結果は大分がつくり上げたもの」と名古屋のフエンテス監督は勝者を讃えた。
勝負を分けたのは主導権を握りにいく姿勢だ。それをより強く打ち出したのが、大分の伊藤雅範監督だった。「コートに立つ選手が生きるやり方をするのが戦術」と語る指揮官は、選手個々の能力を引き出し、組み合わせを考えて最適解を見つける。今季はフィールド選手4人を総入れ替えするセットを組まず、状況に応じて細かくカードを切ることで、選手は与えられた場面で自分の持ち味を出すことを考える。選手の判断を重視するため、選手は気持ちよく前向きにでプレーできるというわけだ。
先制点が今季初ゴールとなった芝野創太
しかし、新加入選手が加わり、チームとしては機能しているとは言い難い。連係が合わずパスミスが多く、ボールの収まりどころも定まらない。それでもボールを持てば仕掛け、最終局面では泥臭く体を張ってブロックする。目の前の相手と勝負し、抜けなければパス、抜かれたらカバーに入る。シンプルだから分かりやすい。チーム設立当初から在籍する仁部屋和弘が「今季は個とカウンターのチーム」と言うように、全員でしっかり守り、攻撃に転じればゴールめがけて一目散に走る戦い方が、現時点のチームには合っているようだ。
序盤戦は手探りのチームが多く、戦い方が浸透するまで時間を要する。伊藤監督はその状況を逆手に取り、まずは個の力を最大限に使う戦い方で選手を気持ちよくプレーさせ、そこから戦術を落とし込むのだろう。「始まったばかり。浮かれてはいられない。まだまだ先は長い」と話したが、勝って課題を修正できることはポジティブな要素だ。まずは地ならしの段階であり、徐々に2対2、3対3とコンビネーションを高め、チームとしての戦い方を示していくはずだ。個々の良さを生かしながら、チーム力をつけていくのか。このあたりが今後の課題となりそうだ。
選手ありきで戦い方を組み立てる伊藤雅範監督
(柚野真也)