現役プロが熱血指導 大分に広がる「バスケの灯」 【大分県】
バスケ
県高校総体女子バスケットボール競技 昨年の雪辱果たした中津北が優勝
第67回県高校総体女子バスケットボール競技
6月3日 決勝リーグ最終日 ダイハツ九州アリーナ
中津北 96-63 大分
1Q 22-18
2Q 22-18
3Q 26-13
4Q 26-14
先輩たちのリベンジを果たしたい―。昨年の県高校総体での悔しさを胸に、全員が同じ気持ちで大会に挑んだ中津北。その思いを見事に実現し、2年ぶり11回目の優勝を勝ち取った彼女たちは、試合後にうれし涙を流しながら抱き合った。昨年末の全国高校バスケットボール選手権大会に続き、全国高校総体(インターハイ)への切符をつかんだ。
実質の決勝戦は決勝リーグ最終戦、全勝同士で迎えた大分との試合。中津北は持ち味の堅い守りで、果敢に攻め込む大分のオフェンスを封じた。点差を広げた第3クオーター以降も足を止めることなく、最後までアグレッシブに守り続けるディフェンスはさすが女王。またオフェンスでは木村美月(3年)や木下菜月(2年)の冷静なゲームメイクや緩急のあるドライブ、森田月海(3年)の3点シュートなど、どこからでも得点を狙ってくる上にその成功率も高い。最後までパフォーマンスが落ちることがなく、体力強化が一層図られていることは明らかだった。
今回の勝因について大津留礎監督は「自分たちのやるべきことが明確だった。シナリオ通りの勝利」と彼女たちの成長を称えた。中津北の伝統である堅守速攻、相手ペースになっても落ち着いた判断ができる精神力など、自分たちの強みをさらに強化すべく練習を重ねた結果を見事に発揮。チームとしてのスタイルが確立されてきたことが自信へとつながったようだ。また、キャプテンの工藤佑美(3年)がけがから復帰したことも大きい。精神的支柱である彼女の復帰により、チームとしてのまとまりは一層高まっている。
大津留監督は「全国では自分たちのディフェンスがどのくらい通用するか楽しみ」と挑戦者として挑む覚悟だ。全国でも戦えるレベルに近づいてきたと評価しながら「一人一人がチームの1ピースであることを自覚してほしい。全員が“自分が抜けたら完成しない”という思いをもって高みを目指してほしい」と話した。チームワークを大切にしながらも個々の技術を磨くことで、結果的にチームの成長につながる。どこからでも攻める縦横無尽なバスケができれば、さらなる飛躍を見せることだろう。
チーム一丸となって優勝を勝ち取った中津北
喜びの声!声!声!
工藤佑美(3年)
フォワード、170cm、稙田南中学校
「これまでけがで試合に出場できていなかったので、この大会には意地でも出場したいと調整をがんばった。昨年負けた悔しさがずっと心にあって、先輩たちの思いを胸に、絶対優勝するという気持ちで試合に挑んだ。身長が高いチームではないので、その分、私たちの持ち味でもあるディフェンス力をもっとつけて、インターハイでは1試合でも多く勝ちたい」
木村美月(3年)
ガード、158cm、王子中学校
「これまでの厳しい練習が報われた。毎日の積み重ねが力になって発揮できた。昨年の悔しさを経験しているので、先生や先輩たちのためにも絶対優勝したいという気持ちだった。個人的にはディフェンスファウルが多かったことが反省点。インターハイへ向けてもっと努力を重ねて成長したい。そして大分県のチームでも全国で通用することを証明したい」
森田月海(3年)
ガード、165cm、青山中学校
「昨年の県総体はガードとして出場したが、ゲームづくりがうまくできなかった悔しさがずっと胸に残っていたので、優勝できて本当にうれしい。思うようにシュートが決まらず、チームに迷惑をかけた試合もあったが、決勝リーグでは大事な場面で得点できたと思う。これからも3ポイントシューターとして努力を続けて、全国ベスト8の目標をみんなで叶えたい」
(黒木ゆか)