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“朝勉”実った日本文理大付属が11季ぶりの優勝

“朝勉”実った日本文理大付属が11季ぶりの優勝

 夏の全国高校野球選手権大分大会の前哨戦となる「第135回県高校野球選手権」は、日本文理大付属が、春のセンバツに出場した大分に6-4で勝利し、11季ぶり3度目の優勝を果たした。

 

第135回県高校野球選手権

5月26日 決勝 別大興産スタジアム

文理大付 010 112 001 | 6

大 分  001 010 101 | 4

 

 昨秋の九州地区大会県予選の準決勝で大分に敗れた日本文理大付属は、今大会に期するものがあった。伊志嶺吉盛監督は、「秋に悔しい思いをした。どこかで優勝しないと夏に向けて弾みがつかないと思っていた」と、夏の全国高校野球選手権大分大会に向けて自信となる結果が欲しかった。それは選手も同じだった。「秋の大会で大分に負けてから、勝つために必要と思うことは何でもやった」とキャプテンの我喜屋隆乃介(3年)。

 

 3年前に沖縄の石垣から赴任した伊志嶺監督を慕い、集まった選手が最終学年となった。朝晩の練習で鍛え上げられたチームは、エースの翁長佳辰(3年)を中心に投打でレベルアップ。「普段通りにプレーすれば勝てるようになった。ただ、その技術を使う頭と心が足りなかった」(伊志嶺監督)。最後のピースを埋めるべく、昨冬から朝練を廃止し、5時30分から1時間、“朝勉”と称して勉学に励んだ。文武両道を心がけることで、思考能力が整理されたのか「練習や試合に集中でき、状況に応じて何をしなければいけないのか考えるようになった。勉強の成績はあまり変わらないけど」。我喜屋ははにかんだが変化を感じた。

 

優勝とともに夏の全国高校野球選手権大分大会で第1シードが内定した

 

 決勝戦は二回に大城道斗(3年)の適時打で先制し、序盤からペースを握り、得点を積み重ねた。準決勝から連投のエースは本調子ではなかったが、打線が援護する。失投、失策があってもチームとして崩れることなく、得点圏では狙い球を絞り、つなぐ野球で一人一人が役割を果たした。伊志嶺監督は「選手は親元を離れ、覚悟を持ってここに来ている子が多い。勝ちたい思いが勝った」と勝利を喜んだ。

 

 9回を1人で投げ抜いた翁長は、「やられたらやり返せ!」と伊志嶺監督のげきを受け、要所でギアを上げ140㌔台の得意のストレートを軸に、三振でピンチをしのいだ。「今日は低めを意識して投げることができたけど、少しでも甘いコースにいくと打たれる。ストライクが先行する投球をしたい」と振り返り、夏の大会に向けて、「春のセンバツに出場した明豊、大分を倒さないと甲子園に行けない。残りの1カ月でこの大会で出た課題を修正したい」と話した。

 

 今大会の結果を踏まえ、全国高校野球選手権大分大会のシード校が内定した。第1シードに大分と日本文理大付属、第2シードに明豊、津久見と実力校がそろい、熱戦は必至だろう。組み合わせは6月19日に決まり、7月7日から夏の夢舞台に向けての戦いが始まる予定だ。

 

最速147㌔のストレートを武器とする翁長佳辰

 

(柚野真也)