国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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ライフセービングスポーツ 砂浜最速の称号を手にした斎藤裕(大分市ライフセービングクラブ)
水辺の事故防止のために活動するライフセービングで、実際の救命救助を想定した技術を競うスポーツがある。一般的に知られるビーチフラッグスもその競技の中の一つだ。5月に九州や中国地方のライフセービングクラブや大学が参加した「福岡ライフセービング選手権」が開催され、大分市ライフセービングクラブの斎藤裕(大分高校3年)がビーチスプリント男子で優勝した。
ビーチスプリントとは、砂浜の直線コースを90m走る競技で、陸上の短距離走のようなもの。社会人や大学生など並みいる猛者と競い、砂浜最速の称号を手にした斎藤は、「緊張したけど日頃からビーチを走っている成果が出た」と振り返る。日頃のトレーニングを指導する大分県ライフセービング協会の尾田智史代表理事は、「持って生まれた瞬発力もあるが、不安定な砂浜でバランスを保つ体幹と下半身の筋力がついた」と練習の成果を勝因に挙げた。
ビーチスプリントで優勝した斎藤裕
小学3年の頃から野球一筋だった斎藤は、高校入学を機に新しいことに挑戦したいと考えていた。中学3年の夏休みに遊びに訪れた田ノ浦ビーチで救命救助のためにトレーニングしていたライフセーバーに出会い、「一緒にライフセービングをしよう」と誘われたことを思い出し、大分市ライフセービングクラブに入った。最初は興味本位だったが、「実際に溺れた子どもを救助する場面を見て、救助技術と体力をつけなければいけない」と痛感した。ライフセービング競技に興味を持ち、練習するようになったのは「誰よりも速く救助したい」との思いからだ。
競技大会に出場するとともに、救助技術を磨き、ライフセービングのライセンス取得に尽力した。今では最上位の「アドバンスライフセーバー」の資格を持つ。ライフセービングの活動を通して、斎藤は「より速く、より確実に救助に行くことより、事故を未然に防げるライフセーバーになりたいと思うようになった」と話す。今後も鍛錬のために競技を続けながら、ライフセービング活動も続ける。
「ライフセービング競技に興味がある人、ライフセーバーになりたい人、海が好きな人。どんな人でも活動できるのがライフセービングの面白いところ。他の高校の学生や社会人と仲間になれる」と斎藤。クラブで知り合ったトライアスロンの選手の勧めで、昨年はトライアスロンやアクアスロンの大会に出場するなど向上心は尽きない。
ビーチフラッグスでは惜しくも決勝進出を逃した
(柚野真也)