
珠玉の一枚 Vol.41 【大分県】
その他
大会に出場するたびに自信を深め、記録を伸ばす。競技を始めて2年足らずで日本一となった立川千夏(大分工業3年)。昨年11月の重量挙げの第10回全日本女子選抜選手権の高校女子63㌔級で3位となり、3月の全国高校選抜大会の女子64㌔級で優勝した。立川は「重量挙げは練習でやってきたことが数字に出る競技。目標を立て、大会に向けて調整できたことがよかった」と振り返る。
中学3年間、卓球に打ち込んでいた立川は、高校入学と同時に重量挙げを始める。理由は「高校に女子卓球部がなかったこと。一つ上の先輩に熱心に誘われたこと」。未知なる競技は不安だらけ。最初はディスク(円盤型の重り)のない男子専用の20㌔の鋼鉄製のバーを挙げるのに四苦八苦したが、練習の成果が数字ではっきり出ることが楽しかった。ディスクを1㌔、2㌔と増やし、持ち上げる。一つ一つステップアップする実感が立川のやる気をかき立てた。
全国高校選抜で優勝した立川千夏
指導する梶原誠監督は、「特筆すべき筋力はないが、バランスの良さが持ち味。性格も素直で、自分に限界をつくらない。練習すればするほど伸びる」と話し、「この1年で高校日本記録を塗り替えることができると思っている。日本代表を狙える逸材」と絶賛する。20㌔のバーを挙げることさえ困難だった初心者は、2年間の努力が形となり、今では自己ベスト176㌔(スナッチ82㌔、ジャーク94㌔)を挙げる。
右肩上がりに成長する立川は「先輩や周りのサポートのおかげでここまで成長できた。試合では梶原先生がセコンドに付き、私が競技に集中できるようにしてくれる」と感謝を忘れない。そして、「技術的な部分も筋力もまだまだ。しっかり練習して、メンタルも強くなれば記録は伸ばせる」と向上心を持って練習に打ち込む。競技を始めて、もうすぐ2年が経つ。「目標を明確にして、達成するやりがいを知った。重量挙げのおかげで(九州大会や全国大会など)他県である上級大会に行けて楽しい。まさかこんな高校生活を送れるとは思ってもいなかった。重い荷物を軽々持てるようになった」と笑う。
重量挙げの面白さに気づき、充実した日々を送っている。
今年は高校新記録を狙う
(柚野真也)
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