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フェンシング女子 大分豊府 成功体験が大きな可能性を生む

フェンシング女子 大分豊府 成功体験が大きな可能性を生む

全国選抜に向けて強化する3つのテーマ

 

・練習通りの力を出す

・ピンチでも冷静な試合運び

・失敗を切り替えるメンタル強化

 

 全国高校選抜フェンシング大会(3月22~24日、愛媛県)の九州ブロック予選で、学校対抗団体戦フルーレ優勝、サーブル準優勝、エペ4位入賞。3種目全てで全国大会の出場権を獲得した。佐藤麻依子監督は「今できることを十分発揮してくれたから大きな反省はない。可能性を見いだせた大会だった」と振り返り、選手の成長に手応えを感じている。

 

 部員6人のうち、唯一の2年生となるキャプテン橋本結と森陽奈子(1年)は、昨年の国体メンバーにも選ばれフルーレで5位に入賞した。また三ヶ尻茉由(1年)は、森とともに全国中学体育大会で団体4位の成績を残した実力者。しかし、他の3人は高校からフェンシングを始めて1年足らず。経験の少ない選手が半数のチームで全国出場を決めた理由について「高校から始めた3人は経験者の足を引っ張りたくないという気持ちが強い」と、合同練習をしている男子フェンシング部の中村修監督。足りないことや得意なことを一人ひとりが自覚し、自分の役割をきちんと果たす。経験の差はあっても、“みんなで勝ちたい”という思いは同じだ。

 

 地道な練習が実を結び、勝つことが自信になり、次への原動力となる。この成功体験の積み重ねで自己肯定感が高まり、さらに上を目指したいという意識につながる。「やればできると信じる素直な心で取り組んでいることが成績に表れ始めている」と中村監督。経験を重ねるにつれ、さらなる飛躍を見せてくれるだろう。

 

全国選抜では団体3種目に出場する

 

この選手に注目

 

橋本結(2年)

2002年2月14日生まれ、159cm、大分大学附属中学校出身

 

 唯一の2年生としてチームをまとめるキャプテン。これまでは守備を得意としてきたが、佐藤監督は九州大会の戦いぶりについて、「落ち着いて確実にポイントを取れるようになってきた」と攻撃面の成長を評価する。普段はマイペースでおっとりとした性格だが、ここぞという場面で得点できる勝負強さを持っている。

 「これまでは自分のことばかり考えがちだったが、九州大会では“チームで戦っている”ことを意識できた」と振り返る。試合になれば一人で戦わなければいけないフェンシング。しかし、苦しい時には応援してくれるチームメイトがいることを改めて実感した。今はチーム全員で全国を勝ち取ったという意識が強い。

 「日頃の練習も試合のつもりで取り組みたい。無駄な失点をなくしたい」と今の自分を冷静に見つめ、練習に励んでいる。全国での目標はベスト8以上。これまでの歴史を塗り替えるべく、チームの先頭に立って活躍を誓う。

 

 

(黒木ゆか)