OITA SPORTS

7/1 TUE 2025

supported by

江藤産業

その他

三好ヴァイセアドラー シーズン総括 新時代へ確かな一歩

三好ヴァイセアドラー シーズン総括 新時代へ確かな一歩

 昨季のVプレミアリーグ8チームに、Vチャレンジリーグの大分三好ヴァイセアドラーとVC長野トライデンツが加わった国内最高峰の新リーグ「Vリーグ男子1部」が初年度を終えた。10チームが3回対戦する総当たり戦で、大分三好は4勝23敗、勝点11で9位。クラブの規模、戦力を考えれば、世界トップクラスの助っ人外国人選手や日本代表選手が名を連ねるチームを相手に上々といえるだろう。

 

 シーズン前にフィリピンからサイドアタッカーのマーク・エスペホが加わった以外は大きな戦力を補強せず、攻撃的なバレーボールの構築を掲げていた。「結果は全く満足できないけど、選手がよく頑張ってくれた」。長丁場のリーグ戦を終えた小川貴史監督はすっきりした表情で振り返った。開幕から9連敗と、スタートダッシュに失敗。「高さ、パワー、スピード、全てで相手に上回られた。実力差は歴然だった」としながらも、「クイック攻撃が機能し、1セット目の入り方がいい時は簡単に負けない。今後に生かせる」と手応えを口にした。

 

新加入ながら大活躍したマーク・エスペホ

 

 

 2巡目以降はヤカン・グマとマークの2大エースのサイド攻撃の負担を減らし、センター攻撃でブロックに的を絞らせないために攻撃の種類を増やし、攻めのサーブで崩した。転機となったのが、2巡目初戦のジェイテクトと、その次の東レの2試合。どちらの試合もフルセットで勝利した。「ウチが勝つにはこれしかない。サイドアウトを切って、点差を離されず、20点目以降に勝負をかける。25—23でセットを取る戦い方が明確になった」。この2試合を終えて以降、簡単に負けない試合が増えた。

 

 トップリーグ経験者のいない駆け出しのチームにとって、27試合を戦い抜いたことは大きな自信となる。今リーグの収穫は若い選手の成長だろう。特に、全試合全セットに出場した勝将哉はヤカン、マークに続く第3のアタッカーとして前衛からの攻撃だけでなく、バックアタックも積極的に入り、攻撃は多彩で可能性を感じさせるものだった。

 

 10日間のオフを挟み、チームは5月の黒鷲旗全日本男女選抜大会上位を目指して早くも動き出している。これまでブロックの要だったキャプテン・高山伸悟の引退で戦力ダウンは否めないが、新たな選手獲得に動き出している。チームスタイルは確立されており、それをベースに今季の経験を糧にできれば展望は明るいものとなる。

 

チームの主軸を担う勝将哉

 

(柚野真也)